長期優良住宅とは、長く良い状態で住み続けられるように建てて、点検・補修の計画まで含めて所管行政庁(都道府県や市区町村)の認定を受けた住宅のことです。2026年に注文住宅で認定を取ると、国の「みらいエコ住宅2026事業」で最大80万円(古家の除却で+20万円)の補助が受けられ、住宅ローン減税・登録免許税・不動産取得税・固定資産税も一般の住宅より優遇されます。
一方で、認定は着工前に申請しないと取れず、建てたあとは少なくとも10年ごとの点検と記録の保存が義務になります。補助金も予算に達した時点で終わります。
・長期優良住宅=劣化対策・耐震・省エネ(断熱等級5+一次エネ等級6)・維持管理などの基準を満たし、30年以上の維持保全計画とセットで認定を受けた家
・2026年の補助金:みらいエコ住宅2026で80万円(5〜8地域は75万円)+古家除却20万円。対象は子育て世帯・若者夫婦世帯。予約は2026年11月16日、交付申請は12月31日まで(予算上限で早期終了)
・税制:住宅ローン減税の借入限度額4,500万円(子育て世帯等5,000万円)、固定資産税の1/2減額が3年→5年、不動産取得税の控除1,200万→1,300万円、登録免許税の保存登記0.15%→0.1%
・国交省のモデルケースでは、住宅ローン減税で326万円、登記・取得・固定資産の3税で91万円の軽減
・注意点は、着工前申請・申請費用・10年ごとの点検義務。認定が取り消されると補助金や減税の返還を求められることがある
長期優良住宅とは?国が認定する「長く住める家」の制度
長期優良住宅は「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」にもとづく認定制度です。国土交通省は、長期優良住宅を「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅」と説明しています。建築主(分譲住宅では事業者)が、建物の構造・設備の計画と、建てたあとの維持保全(点検・補修)の計画を作り、着工前に所管行政庁へ申請して認定を受けます。
認定の対象は、制度の開始当初は新築だけでしたが、2016年4月からは増築・改築、2022年10月1日からは増改築を伴わない既存住宅も認定を受けられるようになりました。検索でよく見かける「2022年10月の改正」は、この既存住宅の認定の開始などを含む法改正の施行です。
出典:国土交通省「長期優良住宅のページ」(2026年10月19日参照)
| 認定の区分 | 認定を受けられるようになった時期 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 新築 | 2009年6月4日〜 | これから建てる注文住宅・分譲住宅 |
| 増築・改築 | 2016年4月1日〜 | 既存住宅を増改築して基準に適合させる場合 |
| 既存(増改築なし) | 2022年10月1日〜 | すでに基準を満たしている既存住宅 |
「長期優良住宅(新築)」「(既存)」の区分表示に注意
同じ「長期優良住宅」でも、認定の区分は上の表の「新築」「増築・改築」「既存」の3つに分かれ、基準も区分ごとに異なります。国土交通省は事業者に対し、広告などで「長期優良住宅(新築)」「長期優良住宅(増改築)」「長期優良住宅(既存)」のように区分が混同されないよう明示することを求めています。中古の長期優良住宅を買う場合は、どの区分の認定か、認定後の点検記録が残っているかを確認しましょう。
出典:国土交通省「長期優良住宅の認定を受けられたみなさまへ」(広告等の表示に関する注意)
認定実績:2025年度は新築一戸建て15.6万戸で過去最多
長期優良住宅の認定は増え続けています。国土交通省の集計では、新築の一戸建て住宅の認定は2025年度(令和7年度)に155,838戸で、制度開始以来の最多になりました。2009年度からの累計は1,850,048戸です。2024年度(136,809戸)から約1.9万戸増えており、補助金や住宅ローン減税で性能の高い住宅が優遇されるようになったことが背景にあると考えられます。

| 年度 | 新築・一戸建て | 新築・共同住宅等 |
|---|---|---|
| 2016年度 | 108,085戸 | 1,288戸 |
| 2017年度 | 105,489戸 | 1,531戸 |
| 2018年度 | 108,811戸 | 587戸 |
| 2019年度 | 107,393戸 | 1,047戸 |
| 2020年度 | 100,505戸 | 889戸 |
| 2021年度 | 118,490戸 | 3,213戸 |
| 2022年度 | 115,509戸 | 2,526戸 |
| 2023年度 | 111,341戸 | 4,821戸 |
| 2024年度 | 136,809戸 | 8,231戸 |
| 2025年度 | 155,838戸 | 9,433戸 |
| 累計(2009〜2025年度) | 1,850,048戸 | 50,998戸 |
出典:国土交通省「長期優良住宅建築等計画の認定実績」(2026年3月末時点)
長期優良住宅の条件:認定基準をわかりやすく
国土交通省は、認定の基準を大きく5つに分けています。①長期に使用するための構造・設備(劣化対策・耐震性・省エネ性など)、②良好な居住水準を確保するための住戸面積、③地域の居住環境への配慮、④適切な維持保全計画、⑤自然災害による被害の防止・軽減への配慮です。
出典:国土交通省「長期優良住宅のページ」(2026年10月19日参照)
このうち①の具体的な性能は、国土交通省の告示で住宅性能表示制度の等級を使って定められています。新築の一戸建て(木造)で押さえておきたい基準は次のとおりです。
| 項目 | 新築の基準(一戸建ての目安) | ねらい |
|---|---|---|
| 劣化対策 | 劣化対策等級3に加え、床下・小屋裏の点検口や床下空間の高さなどの追加措置 | 構造躯体を長く使えるようにする |
| 耐震性 | 耐震等級(倒壊等防止)2以上、または免震建築物など(構造計算の方法により複数の選択肢あり) | 大地震のあとも改修して住み続けやすくする |
| 省エネルギー性 | 断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費量等級6 | ZEH水準の断熱・省エネ性能を確保する |
| 維持管理・更新の容易性 | 維持管理対策等級(専用配管)3 | 配管の点検・清掃・交換をしやすくする |
| 住戸面積 | 75㎡以上(少なくとも1つの階が階段部分を除いて40㎡以上) | 良好な居住水準を確保する |
| 維持保全計画 | 点検の間隔は10年を超えない。地震・台風時の臨時点検。維持保全の期間は30年以上 | 建てたあとも性能を保つ |
| 居住環境・災害配慮 | 地域の景観などに配慮し、災害の危険がある区域では所管行政庁の基準に従う | 地域と災害リスクへの配慮 |
出典:国土交通省告示第209号「長期使用構造等とするための措置及び維持保全の方法の基準」(最終改正 2024年12月27日)/出典:名古屋市「長期優良住宅の認定」(住宅関連制度の案内、2026年10月19日参照)
耐震性の基準は「耐震等級2以上」とまとめられることが多いのですが、告示では構造計算の方法ごとに選択肢が用意されています。ご自身の家がどの方法で基準を満たすのかは、設計者や住宅会社に確認しましょう。住戸面積の基準は、所管行政庁によっては引き下げられている場合もあります。
省エネ性能の「断熱等性能等級5」は、ZEH水準と同じ断熱レベルです。等級ごとのUA値の目安や断熱材の選び方は断熱材の種類と断熱等級の比較、窓の性能は窓サッシの断熱性能比較で詳しく解説しています。ZEHとの違いはZEHとは?補助金2026もあわせてご覧ください。
2026年の長期優良住宅の補助金:みらいエコ住宅2026で最大100万円
2026年に長期優良住宅を新築する人が使える国の補助金の中心は、国土交通省の「みらいエコ住宅2026事業」です。注文住宅の新築で長期優良住宅の認定を受けると、1戸あたり次の補助が受けられます。
| 区分 | 1〜4地域 | 5〜8地域 | 古家の除却を伴う場合 | 対象世帯 |
|---|---|---|---|---|
| 長期優良住宅 | 80万円 | 75万円 | +20万円(上限) | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
| (参考)GX志向型住宅 | 125万円 | 110万円 | 加算なし | すべての世帯 |
出典:国土交通省「みらいエコ住宅2026事業(注文住宅の新築)」(2026年10月19日参照)
地域区分は省エネ基準の地域区分で、市区町村ごとに決まっています。建築地の区分は住宅会社に確認してください。古家の除却加算は、建築主またはその親族が発注した解体工事が2025年11月28日から完了報告までに完了していることが条件です。
対象となる世帯と住宅の条件
- 子育て世帯:申請時点で、2025年4月1日時点で18歳未満(2007年4月2日以降生まれ)の子がいる世帯
- 若者夫婦世帯:申請時点で夫婦で、いずれかが2025年4月1日時点で39歳以下(1985年4月2日以降生まれ)の世帯
- 床面積が50㎡以上240㎡以下で、建築主が自ら住むこと
- 2025年11月28日以降に基礎工事(根切り工事または基礎杭打ち工事)に着手していること。工事請負契約は着工までに締結
- 2027年1月31日時点で、基礎工事着手以降の出来高が補助額以上であること(竣工している必要はない)
- 立地等の除外要件に該当しないこと
2026年3月末までに工事に着手した場合は、子と若者の年齢の基準日が1年前(2024年4月1日時点)になります。世帯要件に当てはまらない場合は、長期優良住宅ではなく、すべての世帯が対象のGX志向型住宅を目指す方法もあります。
出典:国土交通省「みらいエコ住宅2026事業(注文住宅の新築)」(2026年10月19日参照)
締切と予算の執行状況(2026年10月19日時点)
長期優良住宅の新築は、予約申請が遅くとも2026年11月16日まで、交付申請が12月31日までで、どちらも予算の上限に達した時点で終了します。2026年10月19日0時時点の予算執行率は、長期優良住宅・ZEH水準住宅が39%、GX志向型住宅が66%です。注文住宅のZEH水準住宅の交付申請は9月30日で締め切られているため、これから補助を受けるなら長期優良住宅かGX志向型住宅が現実的な選択肢になります。
出典:国土交通省「みらいエコ住宅2026事業(注文住宅の新築)」(2026年10月19日参照)/出典:国土交通省「みらいエコ住宅2026事業」公式サイトの予算執行状況(2026年10月19日0時時点)
- 2025年11月28日基礎工事の着手がこの日以降根切り工事または基礎杭打ち工事の着手日で判定。請負契約は着工まで
- 2026年11月16日予約申請の期限住宅会社(登録事業者)が補助の枠を予約。予算上限に達すると早く終わる
- 2026年12月31日交付申請の期限予算上限に達した時点で終了
- 2027年1月31日出来高の完了報告の期限基礎工事着手以降の出来高が補助額以上になっていること
みらいエコ住宅2026は、施主ではなく登録した住宅会社が申請し、補助金を施主に還元する仕組みです。年内に予約申請できるかどうかは、長期優良住宅の認定手続きの日程にも左右されます。これから会社を選ぶ人は「登録事業者か」「長期優良住宅の申請実績があるか」を最初に確認しましょう。
自治体によっては、長期優良住宅や省エネ住宅の新築に独自の補助を出しているところもあります。国の補助と併用できるかどうかは自治体の制度ごとに異なるため、建築地の市区町村のホームページで確認してください。
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長期優良住宅の減税:5つの税制優遇(2026年)
国土交通省によると、認定長期優良住宅を新築・取得すると、所得税(住宅ローン減税または投資型減税)・固定資産税・登録免許税・不動産取得税が軽減されます。一般の住宅と比べた違いは次のとおりです。
| 税金 | 一般の新築住宅 | 認定長期優良住宅 | 適用期限・主な要件 | 手続き先 |
|---|---|---|---|---|
| 所得税:住宅ローン減税 | 省エネ基準適合住宅は2,000万円(子育て世帯等3,000万円) | 4,500万円(子育て世帯等5,000万円)・控除率0.7%・13年 | 2026〜2030年入居。床面積40㎡以上(上乗せ等は50㎡以上)、合計所得2,000万円以下 | 税務署(確定申告) |
| 所得税:投資型減税 | ― | 性能強化費用相当額(45,300円×床面積、上限650万円)の10%、最大65万円 | 2026〜2028年入居。住宅ローン減税と併用不可。床面積50㎡以上 | 税務署(確定申告) |
| 固定資産税 | 新築から3年間1/2(マンション等5年間) | 5年間1/2(マンション等7年間) | 2031年3月31日までに新築。床面積40〜240㎡ | 市区町村 |
| 登録免許税 | 保存登記0.15%・移転登記0.3% | 保存登記0.1%・移転登記 戸建0.2%(マンション0.1%) | 2027年3月31日までに新築。床面積50㎡以上 | 法務局(登記時) |
| 不動産取得税 | 課税標準から1,200万円控除 | 課税標準から1,300万円控除 | 2031年3月31日までに新築。床面積40〜240㎡ | 都道府県税事務所 |
出典:国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」(2026年10月19日参照)/出典:国土交通省「住宅ローン減税等の住宅取得等促進策に係る所要の措置」(令和8年度税制改正)
住宅ローン減税:借入限度額がZEH水準より1,000万円多い
住宅ローン減税は、年末のローン残高の0.7%を最大13年間、所得税(引ききれない分は一部住民税)から差し引く制度です。2026〜2030年に入居する新築では、借入限度額が住宅の性能で変わり、長期優良住宅・低炭素住宅が最も大きくなります。なお、2028年以降に入居する場合、土砂災害特別警戒区域などの「災害レッドゾーン」の新築は対象外です。

| 住宅の性能 | 借入限度額(一般) | 借入限度額(子育て世帯等) | 1年目の控除額の上限(一般/子育て世帯等) |
|---|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 31.5万円/35万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 24.5万円/31.5万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | 14万円/21万円 |
出典:国土交通省「住宅ローン減税等の住宅取得等促進策に係る所要の措置」(令和8年度税制改正)/出典:国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」(2026年10月19日参照)
子育て世帯等は「19歳未満の扶養親族がいる世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」(いずれも入居した年の12月31日時点)です。借入額がZEH水準の限度額(一般3,500万円)を超える人ほど、長期優良住宅にする効果が大きくなります。住宅ローン減税の全体像は住宅ローン控除2026の条件と限度額で、金利タイプの選び方は住宅ローンは変動と固定どっち?で解説しています。
住宅ローンを使わない・少ない人は「投資型減税」
現金で建てる人や借入額が少ない人は、投資型減税(認定住宅等新築等特別税額控除)を選べます。45,300円×床面積(㎡)で計算した性能強化費用相当額(上限650万円)の10%を、その年の所得税から控除します。床面積120㎡なら543.6万円×10%=約54万円、144㎡以上なら上限の65万円です(当サイトの計算)。引ききれない分は翌年の所得税から控除できますが、住宅ローン減税との併用はできません。
出典:国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」(2026年10月19日参照)
国交省のモデルケース:所得税326万円+3税91万円の軽減
国土交通省は、夫婦と子ども1人・世帯主年収850万円・住宅価格4,800万円・借入4,300万円・建物の固定資産税評価額2,880万円のモデルケースで、住宅ローン減税(借入限度額5,000万円×13年)で326万円、登録免許税・不動産取得税・固定資産税の特例をすべて適用した場合に91万円の軽減になると試算しています。実際の控除額は所得や借入額で変わりますが、税制優遇が補助金より大きくなりうることがわかります。
出典:国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」(2026年10月19日参照)(モデルケースとして試算した額で、実際に控除される額とは異なる)
減税は自分で申請しないと受けられません。所得税は確定申告(認定通知書の写しと住宅用家屋証明書または認定長期優良住宅建築証明書を提出)、固定資産税は新築した年の翌年1月31日までに市区町村へ申告、登録免許税は登記のときに住宅用家屋証明書を添付、不動産取得税は都道府県の条例にしたがって申告します。住宅用家屋証明書は再発行できないので、司法書士から原本か写しを必ず受け取りましょう。
出典:国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」(2026年10月19日参照)
登記費用や不動産取得税の計算方法は注文住宅の諸費用の内訳で、一般の住宅の税率とあわせて詳しく解説しています。
長期優良住宅の費用とデメリット・注意点
長期優良住宅にすると、補助金と減税のメリットがある一方で、次のような費用と手間がかかります。
| デメリット・注意点 | 内容 | 対策 |
|---|---|---|
| 申請の費用 | 所管行政庁の認定手数料、登録住宅性能評価機関の技術的審査の手数料、書類作成の代行費用などがかかる。金額は自治体・機関・住宅会社で異なる | 見積もりに申請費用が含まれているか、項目を分けて確認する |
| 着工前の申請と待ち時間 | 認定は着工前に申請する必要がある。審査の期間だけ着工が後ろにずれることがある | 補助金の予約期限から逆算してスケジュールを組む |
| 建築費の上昇 | 耐震・断熱・点検口などの仕様を満たすため、標準仕様より建築費が上がる場合がある | 標準仕様が長期優良住宅に対応している会社を比べる |
| 点検・メンテナンスの義務 | 少なくとも10年ごとの点検と、地震・台風時の臨時点検を行い、記録を保存する | 点検費用を資金計画に入れ、記録をまとめて保管する |
| 報告義務と認定の取消し | 所管行政庁から報告を求められて報告しない・虚偽の報告をすると30万円以下の罰金。計画どおりに維持保全しないと認定が取り消されることがある | 認定通知書・維持保全計画・点検記録を一緒に保管する |
| リフォーム時の手続き | 設計変更・増築・リフォームの前に、計画変更の認定申請が必要 | 工事の前に所管行政庁と住宅会社に相談する |
出典:国土交通省「長期優良住宅のページ」(2026年10月19日参照)/国土交通省「長期優良住宅の認定を受けられたみなさまへ」
特に注意したいのは認定の取消しです。国土交通省は、長期優良住宅の認定を条件とする補助金や税の優遇を受けている場合、認定が取り消されると返還を求められることがあると注意を呼びかけています。給湯器やエアコンなど一次エネルギー消費量の評価対象の設備を交換するときは、認定時と同等以上の性能のものを選べば計画変更の手続きは不要で、交換の内容は維持保全の記録として保存します。
出典:国土交通省「長期優良住宅の認定を受けられたみなさまへ」
建築費が上がるかどうかは、会社の標準仕様しだいです。もともと断熱等級5・耐震等級2以上を標準にしている会社なら、追加費用は申請関係の費用が中心になります。見積もりの中で性能向上の費用と申請費用を分けて確認する方法は注文住宅の見積もりの見方を参考にしてください。
長期優良住宅は本当にお得?費用対効果の考え方
長期優良住宅にするかどうかは、「補助金+減税で戻る金額」と「申請費用+性能を上げるための追加費用+点検費用」を比べて判断します。戻る金額のうち、確実に見込みやすいのは次の部分です。
- 補助金:みらいエコ住宅2026の対象世帯なら75万〜80万円(古家の除却で+20万円)。ただし予算上限で終了する
- 住宅ローン減税の上乗せ:ZEH水準と比べて借入限度額が1,000万円(子育て世帯等は500万円)多い。借入額が限度額を超え、所得税・住民税が控除額より多い人ほど差が出る
- 固定資産税:新築住宅の1/2減額が2年長く続く
- 登録免許税・不動産取得税:保存登記の税率が0.05ポイント低く、不動産取得税の控除が100万円多い
たとえば国交省のモデルケースと同じ建物の固定資産税評価額2,880万円の場合、所有権保存登記の登録免許税は0.15%なら43,200円、0.1%なら28,800円で、差は14,400円です。不動産取得税は控除額の差100万円×税率3%で3万円です(当サイトの計算。税率3%は2027年3月31日までの住宅の特例税率)。
出典:東京都主税局「不動産取得税」(税率)/出典:国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」(2026年10月19日参照)
登記と取得税の差は数万円で、効果が大きいのは補助金・住宅ローン減税・固定資産税だとわかります。
| こんな人 | 長期優良住宅の効果 | 理由 |
|---|---|---|
| 子育て世帯・若者夫婦世帯で、年内に着工できる | 大きい | 補助金75万〜80万円が使え、住宅ローン減税の限度額も最大5,000万円 |
| 借入額が3,500万円を超え、所得税・住民税も多い | 大きい | ZEH水準との限度額の差(一般1,000万円)が控除額に反映されやすい |
| 標準仕様が断熱等級5・耐震等級2以上の会社で建てる | 大きい | 追加の工事費が少なく、申請費用が主なコストになる |
| 現金購入・借入が少ない | 中程度 | 住宅ローン減税の差は小さいが、投資型減税(最大65万円)と固定資産税の優遇がある |
| 点検や記録の管理をする自信がない | 注意 | 維持保全を怠ると認定の取消し・優遇の返還のおそれがある |
数字に表れにくいメリットもあります。認定住宅は建築・維持保全の記録が残るため、将来売却するときに建物の状態を説明しやすくなります。家づくりで後悔しやすいポイントは注文住宅の後悔・失敗事例にまとめています。
長期優良住宅の申請の流れ:着工前の認定がポイント
長期優良住宅の認定は、国土交通省のQ&Aによると、①着工前に登録住宅性能評価機関に申請して構造などの確認(技術的審査)を受け、②建築主または分譲事業者が所管行政庁に認定申請を行い、③認定されると認定通知書が発行される、という流れです。申請は住宅会社や設計事務所が代行するのが一般的です。
出典:国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」(2026年10月19日参照)(よくあるご質問)

- 会社を選ぶ:長期優良住宅の申請実績があり、みらいエコ住宅2026の登録事業者かを確認する。会社のタイプごとの違いは工務店とハウスメーカーの違いを参考に
- 仕様と費用を確定する:断熱等級5・一次エネ等級6・耐震等級2以上などを満たす仕様にし、申請費用・証明書の発行費用を見積もりに入れてもらう
- 維持保全計画を確認する:点検の時期・内容と、30年以上の維持保全の資金計画を住宅会社と一緒に確認する
- 着工前に認定を受ける:技術的審査と所管行政庁の認定の期間を見込んでスケジュールを組む
- 着工・補助金の申請:基礎工事の着手後に住宅会社が予約申請・交付申請を行う
- 完成後に減税の手続き:登記、固定資産税の申告、不動産取得税の申告、翌年の確定申告を行う
- 書類を保管し、点検を続ける:認定通知書・維持保全計画・点検記録を一緒に保管する
建物の坪単価や総額の目安は注文住宅の坪単価2026、平屋にするか二階建てにするかで迷っている人は平屋と二階建ての費用比較もご覧ください。
長期優良住宅で気になる点
- Q長期優良住宅とは、簡単にいうとどんな家ですか?
- A
劣化対策・耐震性・省エネ性・維持管理のしやすさなどの基準を満たし、建てたあとの点検・補修の計画(維持保全計画)とセットで、所管行政庁の認定を受けた住宅です。認定を受けると、補助金や住宅ローン減税・固定資産税などの優遇が受けられます。
- Q2026年に長期優良住宅で受けられる補助金はいくらですか?
- A
国のみらいエコ住宅2026事業で、注文住宅の新築は1〜4地域で80万円、5〜8地域で75万円、古家の除却を伴う場合は20万円が加算されます。対象は子育て世帯・若者夫婦世帯で、予約申請は2026年11月16日、交付申請は12月31日までですが、予算上限に達した時点で終了します。
- Q長期優良住宅の固定資産税はどれくらい安くなりますか?
- A
新築住宅の固定資産税(建物分)が2分の1に減額される期間が、一般の住宅の3年間から5年間(マンション等は5年間から7年間)に延びます。2031年3月31日までに新築された床面積40〜240㎡の住宅が対象で、新築した年の翌年1月31日までに市区町村へ申告が必要です。
- Q着工してから長期優良住宅の認定を申請できますか?
- A
新築の認定は着工前に申請する必要があります。着工後に申請することはできないため、長期優良住宅にしたい場合は、契約前の設計段階で住宅会社に伝え、審査期間を含めたスケジュールを組んでください。
- Q長期優良住宅のメンテナンス(点検)は何年ごとに必要ですか?
- A
認定基準では、点検の時期が建築の完了または直近の点検・修繕から10年を超えないこと、地震や台風のときに臨時点検を行うことが求められます。維持保全の期間は30年以上です。点検や修繕の記録を作成・保存し、所管行政庁から求められたら報告します。
2026年の長期優良住宅は「年内の予約申請」と「点検の継続」が鍵
長期優良住宅は、断熱等級5・一次エネ等級6・耐震等級2以上などの性能と、30年以上の維持保全計画をそろえて認定を受ける住宅です。2026年に新築する場合は、みらいエコ住宅2026で最大80万円(古家の除却で+20万円)の補助、住宅ローン減税の借入限度額4,500万円(子育て世帯等5,000万円)、固定資産税の5年間1/2減額などの優遇があります。
ただし補助金は予算がなくなり次第終わり、認定は着工前の申請が必要です。年内に着工できるか、申請費用と点検費用を含めて得になるか、点検を続けられるかの3点を確認したうえで、長期優良住宅に対応できる住宅会社を複数比べることから始めましょう。
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参考・出典
- 国土交通省「長期優良住宅のページ」(参照日:2026年10月19日)
- 国土交通省告示第209号「長期使用構造等とするための措置及び維持保全の方法の基準」(最終改正 2024年12月27日)(参照日:2026年10月19日)
- 国土交通省「長期優良住宅建築等計画の認定実績」(2026年3月末時点)(参照日:2026年10月19日)
- 国土交通省「長期優良住宅の認定を受けられたみなさまへ」(参照日:2026年10月19日)
- 国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」(参照日:2026年10月19日)
- 国土交通省「住宅ローン減税等の住宅取得等促進策に係る所要の措置」(令和8年度税制改正)(参照日:2026年10月19日)
- 国土交通省「みらいエコ住宅2026事業 注文住宅の新築」「予算執行状況」(2026年10月19日0時時点)(参照日:2026年10月19日)
- 名古屋市「長期優良住宅の認定」(参照日:2026年10月19日)
