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断熱材の比較 注文住宅編|国の7区分と等級4〜7のUA値で選ぶ

断熱材の比較 注文住宅編 建材情報
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注文住宅の打ち合わせで「断熱材は何を使いますか?」と聞かれても、グラスウール、吹付けの発泡ウレタン、セルロースファイバー、フェノールフォーム……と名前が並ぶばかりで、どれを選べばよいのか迷う人は多いはずです。

結論から言うと、断熱材は「素材の名前」ではなく、①熱伝導率(λ値)の区分、②入れられる厚さから決まる熱抵抗値(R値)、③家全体で目指す断熱等級(UA値)、の3段階で比べるのが失敗しない方法です。同じグラスウールでも密度や繊維の細さで性能が大きく変わり、発泡ウレタンも種類によって性能区分が違います。

この記事では、国土交通省が示している「断熱材の熱伝導率区分」と「断熱等性能等級(等級4〜7)のUA値基準」という一次情報をもとに、注文住宅で使われる主な断熱材を比較します。競合サイトでよく見る「おすすめランキング」ではなく、ご自身の家の等級目標から逆算して選べるように整理しました。

この記事の要点:①断熱材の性能は国の区分(A-1〜F)で比べる ②性能=熱伝導率÷厚さではなく「厚さ÷熱伝導率」(R値)で決まる ③2025年4月から新築は断熱等級4以上が義務。長く住むなら等級5〜6を目安に、断熱材と窓・施工品質をセットで決める

断熱材とは?性能を決める3つの数値

断熱材とは、屋根・天井・外壁・床(基礎)に入れて、室内と屋外のあいだで熱が移動しにくくするための建材です。多くの断熱材は、繊維のすき間や独立した気泡の中に「動かない空気(またはガス)」を閉じ込めることで熱を伝わりにくくしています。硝子繊維協会も、グラスウールの断熱性能に大きく影響するのは密度と繊維の太さで、密度が増えるほど空気室が細かく分かれて断熱性能が良くなると説明しています。

断熱材を比べるときに出てくる数値は、主に次の3つです。

指標意味良い方向どこで使う
熱伝導率(λ値)材料そのものの熱の伝えやすさ。単位W/(m・K)小さいほど断熱性が高い断熱材どうしの素材比較
熱抵抗値(R値)厚さ(m)÷熱伝導率。その厚さで入れたときの熱の通しにくさ大きいほど断熱性が高い壁・天井など部位ごとの性能比較
外皮平均熱貫流率(UA値)家全体から外へ逃げる熱量を外皮面積で割った値。単位W/(㎡・K)小さいほど断熱性が高い断熱等級の判定(家全体の性能)
出典:国土交通省の資料(UA値の定義)、硝子繊維協会の解説をもとに編集部作成

ポイントは、熱伝導率が低い=高性能な断熱材、ではあるものの、実際の断熱性能は「どれだけの厚さで入れられるか」で決まるということです。たとえば熱伝導率が2倍の断熱材でも、厚さを2倍にすれば熱抵抗値は同じになります。壁の中の空間(柱の太さ)には限りがあるため、薄くても性能を出せる素材が有利になる場面と、厚く入れられるので安価な素材で十分な場面があります。

主な断熱材の種類と熱伝導率の違い【国の区分で比較】

国土交通省は、省エネ基準の仕様を確認するために、断熱材を熱伝導率の範囲でA-1からFまでの8区分に分けています。区分が後ろ(F側)になるほど熱伝導率が低く、薄くても断熱性能を出しやすい材料です。注文住宅でよく使われる断熱材を区分に当てはめると次のとおりです。

区分熱伝導率 W/(m・K)該当する主な断熱材(例)
A-10.052〜0.051吹込み用グラスウール(施工密度13K・18K)、A級インシュレーションボード(9mm)
A-20.050〜0.046住宅用グラスウール10K相当、吹込み用ロックウール25K
B0.045〜0.041住宅用グラスウール16K・20K相当、A種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板4号
C0.040〜0.035高性能グラスウール16K・24K・32K相当、住宅用ロックウール(マット)、吹付け硬質ウレタンフォームA種3、吹込用セルローズファイバー25K・45K・55K、押出法ポリスチレンフォーム1種
D0.034〜0.029高性能グラスウール40K・48K相当、吹付け硬質ウレタンフォームA種1・A種2、押出法ポリスチレンフォーム2種、ビーズ法ポリスチレンフォーム特号
E0.028〜0.023押出法ポリスチレンフォーム3種、硬質ウレタンフォーム保温板2種、フェノールフォーム保温板2種3号
F0.022以下フェノールフォーム保温板1種1号・1種2号
出典:国土交通省「(別添2)断熱材区分と熱伝導率」をもとに編集部作成

この表から分かるのは、「グラスウール=性能が低い」「発泡ウレタン=性能が高い」という単純な図式は成り立たないということです。高性能グラスウール16Kと、現場で吹き付ける硬質ウレタンフォームA種3は、どちらも同じC区分です。一方で、同じ吹付けウレタンでもA種1・A種2はD区分に入ります。見積書では「グラスウール」「ウレタン吹付け」といった大まかな名前だけでなく、密度(○K)や種別(A種1・A種3など)まで確認しましょう。

断熱材の熱伝導率(国の区分の上限値・小さいほど高性能)
出典: 国土交通省「(別添2)断熱材区分と熱伝導率」各区分の上限値

グラフは各区分の上限値(その区分でいちばん性能が低い側の値)で描いています。製品ごとの実際の熱伝導率は、メーカーのカタログやJIS表示で確認できます。

断熱材7種類のメリット・デメリット

ここからは、注文住宅で採用されることが多い断熱材を、素材のグループごとに整理します。性能区分は上の国の区分表にもとづいています。

グラスウール(無機繊維系)

ガラスを溶かして綿状の繊維にした断熱材で、壁・天井・床のほぼすべての部位に使えます。硝子繊維協会によると、通常のグラスウールの繊維の太さは7ミクロン程度、高性能グラスウールは4ミクロン程度で、繊維を細くしたぶん同じ密度でも性能が上がります。住宅用10K相当はA-2区分ですが、高性能グラスウール16K相当ならC区分、40K・48K相当ならD区分まで性能が上がります。

メリットは、流通量が多く比較的安価で、国の告示でグラスウール板が不燃材料に指定されているなど火に強いことです。デメリットは、湿気を通しやすい素材のため、室内側の防湿シートや壁内の通気層をきちんと施工しないと内部結露のリスクがあること、そして袋入り製品を柱の間に押し込むときに隙間や垂れ下がりが出やすく、職人の施工品質が性能を左右することです。

ロックウール(無機繊維系)

玄武岩などの鉱物を高温で溶かして繊維化した断熱材です。住宅用ロックウール(マット)はC区分で、高性能グラスウール16K相当と同程度の性能です。告示で不燃材料に指定されており、耐火性を重視する場合の選択肢になります。性質や注意点(防湿・通気の施工)はグラスウールとほぼ同じです。

セルロースファイバー(木質繊維系)

新聞古紙などを原料にした綿状の断熱材で、専用の機械で壁や天井に吹き込んで施工します。吹込用セルローズファイバー(25K・45K・55K)はC区分です。メリットは、隙間なく充填しやすく、繊維が水分を吸ったり吐いたりする調湿性や、吸音性があるとされる点です。デメリットは、専門の施工業者が必要で、対応できる会社が限られること、壁内で沈下しないよう十分な密度で吹き込む施工管理が欠かせないことです。

吹付け硬質ウレタンフォーム(発泡プラスチック系)

現場で液体の原料を吹き付けて発泡させる断熱材で、「発泡ウレタン」「アクアフォーム」などの名前で呼ばれることもあります。建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォームのA種3はC区分、A種1・A種2はD区分です。メリットは、柱や配管のまわりにも隙間なく密着しやすく、気密をとりやすいことです。デメリットは、可燃性の素材であること、吹付け厚さにムラが出ると性能が下がること、将来のリフォームで撤去や再施工がしにくいことです。見積もりでは種別(A種1〜3)と吹付け厚さを必ず確認しましょう。

押出法・ビーズ法ポリスチレンフォーム(発泡プラスチック系)

板状の断熱材で、基礎や床下、外張り断熱によく使われます。「スタイロフォーム」などの商品名で知られる押出法ポリスチレンフォームは、1種がC区分、2種がD区分、3種がE区分と、種別によって性能が大きく異なります。水を吸いにくいため床下や基礎まわりに向いています。一方で熱に弱く可燃性のため、施工場所や防火上の仕上げに注意が必要です。

硬質ウレタンフォーム保温板(発泡プラスチック系)

工場で板状に成形したウレタンフォームで、2種はE区分と高い性能を持ちます。薄くても熱抵抗値を確保しやすいため、外張り断熱や、屋根・床など厚さを取りにくい部位で採用されます。価格は繊維系より高くなりやすく、板と板の継ぎ目をテープなどで確実にふさぐ施工が必要です。

フェノールフォーム(発泡プラスチック系)

フェノール樹脂を発泡させた板状の断熱材で、1種1号・1種2号は国の区分で最上位のF区分(熱伝導率0.022以下)です。もっとも薄く高い断熱性能を出せるため、外張り断熱や、壁の厚さを抑えたい設計で採用されます。デメリットは材料価格が高めであることと、板状のため隙間なく施工する精度が求められることです。

【比較表】注文住宅で使う断熱材の違い

ここまでの内容を、注文住宅で比較するときの観点ごとに一覧にしました。性能区分は国の区分表、火災時の扱いは平成12年建設省告示第1400号(不燃材料を定める件)にもとづいています。価格は製品や施工方法、地域で大きく変わるため、公的な単価データはありません。ここでは一般的な傾向として示します。

断熱材主な形状・施工国の区分(例)火への強さ湿気・結露の注意初期費用の傾向
グラスウールマット・ボードを充填/吹込みA-2〜D(密度・種類による)グラスウール板は告示の不燃材料防湿層・通気層が必須比較的安い
ロックウールマット・ボードを充填C告示の不燃材料防湿層・通気層が必須比較的安い〜中程度
セルロースファイバー専用機で吹込みC可燃性の原料(製品ごとの防火性能を確認)調湿性があるとされるが施工密度の管理が重要中程度〜高め
吹付け硬質ウレタン現場で吹付け発泡C(A種3)/D(A種1・2)可燃性種類により防湿層が必要中程度
押出法ポリスチレンフォーム板を張る(床下・基礎・外張り)C〜E(1種〜3種)可燃性・熱に弱い吸水しにくい中程度
硬質ウレタンフォーム保温板板を張る(外張り・屋根)D〜E可燃性継ぎ目の処理が重要高め
フェノールフォーム板を張る(外張り・壁)C〜F(1種はF)可燃性(製品ごとの防火性能を確認)継ぎ目の処理が重要高め
出典:国土交通省「断熱材区分と熱伝導率」、平成12年建設省告示第1400号をもとに編集部作成。費用は一般的な傾向で、実際の金額は見積もりで確認

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断熱等級4〜7のUA値基準と、目指すべき等級

断熱材を選ぶ前に決めておきたいのが、家全体でどの断熱等級を目指すかです。住宅性能表示制度の「断熱等性能等級」は、2022年4月に等級5(ZEH水準)、2022年10月に戸建住宅向けの等級6・7が新設され、現在は等級7が最高です。国土交通省の資料では、等級6は省エネ基準に比べて暖冷房の一次エネルギー消費量をおおむね30%、等級7はおおむね40%削減する水準として設定されています。

等級1・2地域(夕張・札幌等)3地域(盛岡等)4地域(会津若松等)5〜7地域(水戸・東京・熊本等)位置づけ
等級70.200.200.230.26暖冷房エネルギー 約40%削減
等級60.280.280.340.46暖冷房エネルギー 約30%削減
等級50.400.500.600.60ZEH水準
等級40.460.560.750.87省エネ基準(2025年4月から新築で義務)
出典:国土交通省「住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設」(断熱等性能等級の基準)。単位W/(㎡・K)。8地域(沖縄等)はUA値の基準なし
断熱等級ごとのUA値基準(6地域・東京等)
出典: 国土交通省 住宅性能表示制度 断熱等性能等級の基準

2025年4月から、原則としてすべての新築住宅に省エネ基準(断熱等級4相当)への適合が義務づけられました。つまり、これから建てる注文住宅にとって等級4は「最低ライン」です。国は遅くとも2030年度までに省エネ基準をZEH水準(等級5相当)へ段階的に引き上げる方針を示しているため、数十年住む家であれば等級5以上、予算が許せば等級6を目安に検討するのがおすすめです。

住宅の断熱基準の主な動き
  • 2022年4月
    断熱等級5(ZEH水準)を新設
    住宅性能表示制度にZEH水準の上位等級を設定
  • 2022年10月
    断熱等級6・7(戸建住宅)を新設
    ZEH水準を上回る等級。暖冷房エネルギー約30%・約40%削減が目安
  • 2025年4月
    新築住宅の省エネ基準適合が義務化
    断熱等級4相当が最低ラインに
  • 遅くとも2030年度
    省エネ基準をZEH水準へ引き上げる方針
    等級5相当が新たな最低ラインになる見込み

補助金の面でも、ZEH水準以上の住宅が対象になる制度が中心です。最新の補助制度はみらいエコ住宅2026事業の解説や住宅省エネキャンペーンの解説でまとめています。

失敗しない断熱材の選び方【等級から逆算する5ステップ】

断熱材は「どれが一番良いか」ではなく、「目標の等級を、予算内で、確実に施工できる組み合わせはどれか」で選びます。次の順番で住宅会社と話を進めると、判断がぶれにくくなります。

断熱材は目標等級から逆算して選ぶ(編集部作成)
断熱材は目標等級から逆算して選ぶ(編集部作成)
  1. 目標の断熱等級を決める:地域区分と等級から、目指すUA値が決まります(上の表)。
  2. 住宅会社にUA値の計算書を出してもらう:「断熱材は何ですか」ではなく「この仕様でUA値はいくつですか」と聞きます。
  3. 部位ごとの断熱材と厚さを確認する:屋根(天井)・壁・床(基礎)で使う断熱材の種類・密度・厚さを一覧にしてもらいます。
  4. 窓の仕様をセットで確認する:家の熱の出入りは窓からが大きく、断熱材だけ良くしても等級は上がりにくいのが実情です。
  5. 施工品質の確認方法を決める:断熱材の施工中の現場写真や、気密測定(C値)の実施可否を契約前に確認します。

窓の断熱については先進的窓リノベ事業の解説でも紹介しています。住宅会社の探し方は工務店の探し方が参考になります。

2×4(ツーバイフォー)と在来工法で変わる「入れられる厚さ」

競合の比較記事ではあまり触れられていませんが、同じ断熱材でも、工法(壁の厚さ)によって入れられる量が変わり、断熱性能が変わります。2×4工法の壁の枠材(204材)は断面が38mm×89mmのため、壁の中に充填できる断熱材の厚さは約89mmです。2×6工法(206材、38mm×140mm)なら約140mm入れられます。木造軸組(在来)工法では柱の太さ(105mm角・120mm角など)が目安になります。

熱抵抗値R=厚さ(m)÷熱伝導率 の式に、国の区分の上限値をあてはめて試算すると次のようになります(編集部による計算例です。実際の製品の熱伝導率はこれより小さいことが多く、R値はもう少し大きくなります)。

断熱材(区分の上限値λ)89mm(2×4)のR値105mm(在来 柱105角)のR値140mm(2×6)のR値
住宅用グラスウール16K相当(0.045)約1.98約2.33約3.11
高性能グラスウール16K相当・吹付けウレタンA種3・セルロース(0.040)約2.23約2.63約3.50
高性能グラスウール40K相当・吹付けウレタンA種1(0.034)約2.62約3.09約4.12
押出法ポリスチレンフォーム3種など(0.028)約3.18約3.75約5.00
フェノールフォーム1種(0.022)約4.05約4.77約6.36
熱伝導率は国土交通省「断熱材区分と熱伝導率」の各区分の上限値。R値の単位は㎡・K/W。編集部による計算例

この試算から、2×4の壁(89mm)に一般的なグラスウールを入れた場合と、2×6の壁(140mm)に同じ断熱材を入れた場合では、熱抵抗値に約1.5倍の差が出ることが分かります。壁の厚さに余裕がない場合は、高性能な断熱材を選ぶか、外側にもう一層の断熱材を張る「付加断熱」を組み合わせると、等級6・7のような高い目標にも近づけます。

なお、壁と違って天井(小屋裏)や屋根は厚さの制約が比較的ゆるく、吹込み用のグラスウールやセルロースファイバーを厚く敷き込むことで熱抵抗値を大きくしやすい部位です。反対に、床や基礎まわりは厚さを取りにくく湿気も多いため、吸水しにくい板状の発泡プラスチック系断熱材が選ばれることが多くなります。1つの家の中でも、部位ごとに最適な断熱材は異なるため、「家全体でどの断熱材か」ではなく「部位ごとに何を何mm入れるか」で確認しましょう。

「柱の太さ=断熱材の厚さの上限」になるのが充填断熱の特徴です。等級6以上を目指す場合は、断熱材の種類だけでなく、2×6工法や付加断熱の採用も含めて住宅会社と相談しましょう。

火への強さ・耐熱性で比べる断熱材

「断熱材 耐熱」「断熱材 200℃」といった検索が多いように、火や熱に対する強さを気にする人も少なくありません。住宅用の断熱材で押さえておきたいのは、建築基準法の告示(平成12年建設省告示第1400号)で「不燃材料」に指定されているのは、断熱材ではグラスウール板とロックウールだという点です。

一方、発泡ウレタンやポリスチレンフォームなどの発泡プラスチック系断熱材は可燃性です。もちろん、住宅では石こうボードなどで覆って使うことが前提で、発泡プラスチック系だから危険というわけではありません。ただし、薪ストーブや暖炉の周辺、キッチンのコンロまわりなど局所的に高温になる部分の断熱や、ホームセンターで板状の断熱材を購入してDIYで使う場合は、製品ごとの使用温度の上限や防火上の注意書きを必ず確認しましょう。

断熱材の費用・価格を比較するときの注意点

断熱材の価格は、材料費だけでなく「施工の手間」によって大きく変わります。グラスウールのように材料が安く大工が施工できるものもあれば、吹付けウレタンやセルロースファイバーのように専門業者が機械で施工するもの、外張り断熱のように板の加工と継ぎ目処理に手間がかかるものもあります。公的機関による断熱材ごとの施工単価の統計はないため、複数の住宅会社から同じ等級目標で見積もりを取り、総額とUA値をセットで比べるのが確実です。

  • 見積書に「断熱工事 一式」としか書かれていない場合は、部位ごとの断熱材の種類・密度・厚さを明記してもらう
  • 「標準仕様」と「オプション(断熱グレードアップ)」の差額と、それぞれのUA値を聞く
  • 吹付け断熱は、吹付け厚さの管理方法(厚さ測定の写真など)を確認する
  • 断熱材と同時に、窓(サッシ・ガラス)の仕様と金額も比べる

建築費の相場感は千葉県の注文住宅費用相場でも公的データをもとに解説しています。断熱性能に関する後悔は建てたあとに直しにくいため、注文住宅の後悔ランキングと契約前チェックリストもあわせて確認しておくと安心です。

リフォームで断熱材を入れる場合

既存住宅の断熱リフォームでは、壁を壊さずに施工できるかが断熱材選びの決め手になります。天井裏にはグラスウールやセルロースファイバーの吹込み、床下には板状のポリスチレンフォームなど、部位ごとに施工しやすい断熱材が異なります。外壁の張り替えと同時に外側から断熱を補強する方法もあります。外壁材については外壁材の比較と30年のメンテナンス周期、業者探しは住宅リフォーム業者の探し方を参考にしてください。

断熱材選びでよくある失敗と注意点

  1. 素材名だけで決めてしまう:「ウレタンだから高性能」と思っていたら、種別がA種3でC区分だった、というように、名前だけでは性能は分かりません。
  2. 断熱材だけ良くして窓が弱い:窓の性能が低いと、家全体のUA値は思ったほど下がりません。
  3. 防湿・通気の施工が不十分:繊維系断熱材は防湿層と通気層がないと内部結露のおそれがあります。等級が上がるほど結露対策の基準も厳しくなります(国交省の等級6・7の基準では防湿層の透湿抵抗の基準値が引き上げられています)。
  4. 施工品質を確認していない:隙間・たるみ・吹付けのムラは性能低下に直結します。施工中の写真を残してもらいましょう。
  5. 等級4で十分と判断してしまう:等級4は2025年から義務化された最低ラインです。住み心地と将来の資産価値を考えると、等級5以上が安心です。

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断熱材の比較でよくある質問

Q
注文住宅でおすすめの断熱材はどれですか?
A

すべての家に共通する「一番おすすめ」はありません。目標の断熱等級(UA値)を決め、壁や屋根の厚さの中で必要な熱抵抗値を確保できる断熱材を選ぶのが基本です。コストを抑えつつ等級5〜6を目指すなら高性能グラスウールの充填+付加断熱、気密の取りやすさを重視するなら吹付け硬質ウレタン、薄さと高性能を両立したいならフェノールフォームなど、目的に応じて選びます。

Q
グラスウールと発泡ウレタンの違いは何ですか?
A

グラスウールはガラス繊維の断熱材で、告示で不燃材料に指定され、比較的安価です。発泡ウレタン(吹付け硬質ウレタンフォーム)は現場で吹き付けて隙間なく密着させやすい一方、可燃性です。国の区分では高性能グラスウール16K相当と吹付けウレタンA種3は同じC区分で、熱伝導率だけでは大きな差はありません。

Q
熱伝導率と熱抵抗値はどちらを見ればよいですか?
A

素材どうしを比べるときは熱伝導率(小さいほど高性能)、実際に壁や屋根に入れたときの性能を比べるときは熱抵抗値(大きいほど高性能)を見ます。熱抵抗値は「厚さ÷熱伝導率」で計算でき、厚く入れればそのぶん大きくなります。

Q
断熱等級はいくつを目指せばよいですか?
A

2025年4月から新築住宅は等級4相当が義務になりましたが、国は遅くとも2030年度までに省エネ基準をZEH水準へ引き上げる方針です。長く住む注文住宅なら等級5以上、光熱費や快適性を重視するなら等級6(6地域でUA値0.46以下)を一つの目安にするとよいでしょう。

Q
ホームセンターで買える断熱材でDIYしても大丈夫ですか?
A

床下や小屋裏の一部を補う程度であれば、ホームセンターの板状断熱材やマット状断熱材で対応できる場合があります。ただし防湿・気流止めの施工を誤ると結露の原因になり、家全体の性能を上げるには専門的な計算と施工が必要です。新築や本格的な断熱改修は住宅会社やリフォーム会社に依頼しましょう。

まとめ:断熱材は「区分・厚さ・等級」の3段階で比較する

断熱材の比較では、グラスウール・発泡ウレタン・セルロースファイバーといった素材名よりも、国の熱伝導率区分(A-1〜F)、入れられる厚さから決まる熱抵抗値、そして家全体の断熱等級(UA値)の3つを順に確認することが大切です。高性能グラスウール16K相当と吹付けウレタンA種3は同じ区分であり、2×4と2×6では同じ断熱材でも性能が約1.5倍変わります。

2025年4月から等級4は最低ラインになりました。これから注文住宅を建てるなら、等級5〜6を目標に、断熱材・窓・施工品質をセットで比較できる住宅会社を選びましょう。複数社の提案をUA値で並べて比べると、自分の予算に合った最適な断熱仕様が見えてきます。子育て世帯向けの支援は子育てグリーン住宅支援事業の解説もご覧ください。

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参考・出典

建材情報
この記事を書いた人
AKITEKT編集長 伊藤 建

AKITEKT編集長として、建築業界に興味を持つライターとして、高品質な記事制作を手がけています。掲載するコンテンツは、業界の最新トレンドや実際の事例を調査し、正確で信頼性のある情報を読者に届けることを大切にしています。
『家づくりの未来を築く』をモットーに、家づくりを検討している方や建築業界に携わる方にとって役立つ情報を発信し続けています。

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