2026年に家を新築する人、省エネリフォームを考えている人にとって、最も金額の大きい国の補助金が「みらいエコ住宅2026事業」です。2025年の子育てグリーン住宅支援事業の後継にあたる制度で、住宅の省エネ性能に応じて新築なら最大125万円、リフォームなら最大100万円が補助されます。
ただし、この制度は施主が自分で申請するものではなく、登録した住宅会社が申請して施主に還元する仕組みです。さらに住宅の種類ごとに締切が違い、注文住宅のZEH水準住宅は交付申請が2026年9月30日までと早く締め切られます。この記事では国土交通省の公式サイトの情報をもとに、補助額・対象条件・性能要件・締切・申請の流れを一つにまとめました。
みらいエコ住宅2026事業とは
みらいエコ住宅2026事業は、国土交通省が実施する「住宅省エネ2026キャンペーン」の一つです。2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、省エネ性能の高い住宅の新築と、既存住宅の省エネ改修を支援することを目的としています。
対象となるのは次の4つの取得・工事です。
- 注文住宅の新築
- 新築分譲住宅の購入
- 賃貸住宅の新築
- リフォーム(開口部と躯体の断熱改修を含むもの。原則、平成28年12月31日以前に新築された住宅が対象)
住宅省エネキャンペーンには、ほかに高効率給湯器を対象とする「給湯省エネ事業」や、窓の断熱改修に特化した「先進的窓リノベ事業」などがあります。2025年版の内容は住宅省エネ2025キャンペーンの解説にまとめているので、制度の全体像をつかみたい方はあわせてご覧ください。
新築の補助額:GX志向型は最大125万円
新築(注文住宅・分譲住宅)の補助額は、住宅の省エネ性能の区分と、建てる地域の区分によって決まります。長期優良住宅とZEH水準住宅では、古い家を取り壊して建て替える場合に20万円の加算があります。
| 住宅の区分 | 1〜4地域 | 5〜8地域 | 古家除却の加算 | 対象世帯 |
|---|---|---|---|---|
| GX志向型住宅 | 125万円 | 110万円 | なし | すべての世帯 |
| 長期優良住宅 | 80万円 | 75万円 | +20万円 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
| ZEH水準住宅 | 40万円 | 35万円 | +20万円 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
「1〜4地域」「5〜8地域」は、省エネ基準で使われる地域区分です。おおむね北海道・東北や内陸の寒冷な地域が1〜4地域、関東以西の平野部の多くが5〜8地域にあたりますが、同じ県内でも市町村によって区分が異なることがあります。自分の建築地がどちらに入るかは、住宅会社に確認するのが確実です。
表で注目したいのは対象世帯の違いです。GX志向型住宅だけはすべての世帯が対象で、子どもがいない世帯や40歳以上の夫婦でも補助を受けられます。一方、長期優良住宅とZEH水準住宅は子育て世帯または若者夫婦世帯に限られます。
子育て世帯・若者夫婦世帯の定義
| 区分 | 定義(公式サイトの表記の要約) |
|---|---|
| 子育て世帯 | 申請時点で18歳未満の子を有する世帯 |
| 若者夫婦世帯 | 申請時点で夫婦であり、いずれかが39歳以下である世帯 |
年齢の基準日は着工時期によって扱いが分かれているため、子どもが18歳の誕生日を迎える前後や、夫婦のどちらかが40歳前後の場合は、契約前に住宅会社を通じて公式サイトの基準日を確認してください。
新築の性能要件:3つの区分の違い
補助額の差は、そのまま省エネ性能の差です。GX志向型住宅は、一般的なZEHよりも一段高い断熱性能と、太陽光発電などを含めたエネルギー収支のゼロ化が求められます。
| 区分 | 断熱性能 | 一次エネルギー消費量 | その他の要件 |
|---|---|---|---|
| GX志向型住宅 | 断熱等性能等級6以上 | 再エネを除く削減率35%以上。再エネを含む削減率は一般地域100%以上、寒冷地・低日射地域75%以上、多雪地域・都市部狭小地等は要件なし | 高度エネルギーマネジメント(ECHONET Lite AIF対応のHEMSコントローラ)の設置 |
| 長期優良住宅 | 断熱等性能等級5以上 | 一次エネルギー消費量等級6以上 | 所管行政庁による長期優良住宅の認定 |
| ZEH水準住宅 | 断熱等性能等級5以上 | 再エネを除く削減率20%以上(一次エネ等級6) | ― |
性能の証明には、戸建て住宅の場合BELS評価書または設計住宅性能評価書などが必要です。また、建築確認申請書の提出日が2026年7月1日以降の住宅では、IP通信機能を持つ製品を使う場合に、IoT機器のセキュリティ適合ラベル「JC-STAR★1以上」の製品であることが求められるようになりました。HEMSや通信機能付きの給湯器・太陽光のパワーコンディショナーなどを採用するときは、住宅会社が対応製品を選んでいるか確認しておくと安心です。
そのほかの主な要件
- 床面積が50㎡以上240㎡以下であること
- 2025年11月28日以降に基礎工事に着手していること
- みらいエコ住宅2026事業に登録した事業者と契約していること(GX志向型住宅は、建築事業者がGXへの協力を表明した「GX建築事業者」であることも必要)
立地や住宅の用途などによって対象外となる条件もあります。細かな対象外要件は年度ごとに見直されるため、最終的には公式サイトの事業概要と、契約する住宅会社の説明で確認してください。
申請期間と締切:ZEH水準の注文住宅は9月30日まで
2026年の申請期間は第1期(2026年3月31日〜5月12日)がすでに終了し、現在は第2期の受付中です。住宅の区分によって締切が違う点に注意してください。
| 区分 | 予約申請の期限 | 交付申請の期限 | 予算額 | 予算執行率(9/24時点) |
|---|---|---|---|---|
| GX志向型住宅(新築) | 2026年11月16日 | 2026年12月31日 | 750億円 | 59% |
| 長期優良住宅(新築) | 2026年11月16日 | 2026年12月31日 | 1,450億円(ZEH水準と合算) | 33% |
| ZEH水準住宅(注文住宅) | 2026年8月17日(終了) | 2026年9月30日 | 同上 | 同上 |
| リフォーム | 2026年11月16日 | 2026年12月31日 | ― | 7% |
注文住宅のZEH水準住宅は、予約申請の期限(8月17日)がすでに過ぎています。予約をしていない場合、これからZEH水準住宅で新たに補助を受けるのは難しいと考えたほうがよいでしょう。これから契約する人は、長期優良住宅の認定を取るか、GX志向型住宅の性能まで引き上げるかを検討することになります。
GX志向型住宅は9月24日時点で予算の59%が執行されています。締切は12月31日ですが、過去の同種の制度では予算上限に達して早期に終了した例もあるため、年内の着工を考えている場合は秋のうちに契約と予約申請を済ませるスケジュールが安全です。
リフォームの補助額:最大100万円
リフォームの対象は原則として平成28年12月31日以前に新築された住宅で、戸建て・共同住宅のどちらも対象です。補助の上限額は、住宅が建てられた時期と、改修の内容(どこまで性能を引き上げるか)で決まります。
| 住宅の新築時期 | 開口部+躯体の断熱+エコ設備 | 開口部+躯体の断熱 |
|---|---|---|
| 平成3年以前 | 100万円/戸 | 50万円/戸 |
| 平成4年〜平成28年 | 80万円/戸 | 40万円/戸 |
リフォームでは、特定の居室で窓などの開口部の断熱改修と、外壁・床・天井などの躯体の断熱改修を組み合わせることが必須です。窓を1か所替えるだけ、給湯器を交換するだけといった工事では対象になりません。また、1回の申請で合計補助額が5万円以上になる必要があります。
給湯省エネ・先進的窓リノベとの併用
同じキャンペーンの「給湯省エネ2026事業」とは併用できますが、同じ工事に重複して補助を受けることはできません。「先進的窓リノベ2026事業」と併用する場合は、窓などの部位ごとにどちらの事業で申請するかを選ぶ必要があります。窓の補助額は先進的窓リノベ事業のほうが大きくなるケースが多いため、見積もりの段階でリフォーム会社に振り分けを提案してもらいましょう。2025年版の内容は先進的窓リノベ事業の解説と給湯省エネ事業の解説で紹介しています。
どの会社に頼むか迷ったら、中立の窓口に無料相談する
注文住宅は同じ要望でも会社によって数百万円の差が出ます。展示場を1社ずつ回る前に、特定の会社を勧めない中立のアドバイザーに「予算・エリア・希望」を伝えて、合う会社を絞ってもらうと遠回りしません。LIFULL HOME’S 住まいの窓口は相談料無料、営業なし、店舗でもオンラインでも相談できます。
まずは自分で資料を集めたい方は 持ち家計画(複数社にまとめて資料請求・PR) も使えます。
申請の流れ:施主がやること・会社がやること
みらいエコ住宅2026事業では、一般の消費者が直接申請することはできません。申請手続きは、事業者登録をした住宅会社やリフォーム会社が代行し、交付された補助金は契約代金への充当や現金での支払いなどの方法で施主に還元されます。
- 登録事業者を選ぶ:公式サイトの「事業者検索」で、みらいエコ住宅2026事業に登録しているかを確認できます。GX志向型住宅を建てるなら「GX建築事業者」であることも確認します
- 性能区分と補助額を決めて契約する:GX志向型・長期優良・ZEH水準のどれを目指すかで、仕様と建築費が変わります。補助額の還元方法(値引き・現金など)も契約書に明記してもらいます
- 補助金の申請・還元について書面で取り決める:申請を事業者に任せる代わりに、還元の方法や時期を書面で確認しておきます
- 着工・予約申請:基礎工事に着手したあと、事業者が予約申請を行い、補助金の枠を確保します
- 交付申請:一定の工事が進んだ段階で、事業者が本申請を行います。期限は原則2026年12月31日です
- 交付決定・還元:補助金は事業者に振り込まれ、契約時の取り決めに従って施主に還元されます
施主にとって大切なのは、1の会社選びと2の契約内容です。登録していない会社と契約すると、どれだけ性能の高い家を建てても補助の対象になりません。
会社に確認したい5つの質問
- みらいエコ住宅2026事業の登録事業者ですか。GX志向型住宅を建てる場合、GX建築事業者ですか
- この仕様で、GX志向型・長期優良・ZEH水準のどの区分になりますか。BELSなどの証明書の取得費用は見積もりに入っていますか
- 予約申請はいつ行いますか。予算の残りが少なくなった場合の対応はどうなりますか
- 補助金はどの方法で還元されますか(契約金額からの値引き、現金の支払いなど)
- 昨年までの同種の制度で、申請の実績は何件くらいありますか
補助金とあわせて使える制度
みらいエコ住宅2026事業は、税金の優遇とは別枠です。省エネ性能の高い住宅は、住宅ローン控除の借入限度額が大きくなるほか、登録免許税や不動産取得税、固定資産税の軽減措置もあります。税金の基本は住宅を建てるときにかかる税金と減税制度で解説しています。
また、自治体が独自に行う住宅の省エネ補助や、太陽光・蓄電池の補助と組み合わせられる場合もあります。たとえば千葉市では、市独自の住宅用設備の脱炭素化補助金があります。千葉市で家を建てる場合の費用や補助金は千葉市の注文住宅ガイドにまとめています。注文住宅では、建物の完成前に着工金や中間金の支払いが発生することがあるため、つなぎ融資の要否も資金計画の段階で確認しておきましょう。
| 制度 | 対象 | ポイント |
|---|---|---|
| みらいエコ住宅2026事業 | 省エネ性能の高い新築・省エネリフォーム | 住宅会社が申請。区分ごとに締切が異なる |
| 給湯省エネ2026事業 | 高効率給湯器の設置 | みらいエコ住宅と併用可。同一工事の重複は不可 |
| 先進的窓リノベ2026事業 | 窓の断熱改修 | みらいエコ住宅のリフォームと併用時は部位ごとに選択 |
| 住宅ローン控除・各種減税 | 住宅の取得 | 補助金とは別枠。省エネ性能で優遇が変わる |
| 自治体の独自補助 | 太陽光・蓄電池・断熱改修など | 施主本人が申請するものが多い。要件は自治体ごと |
どの会社に頼むか迷ったら、中立の窓口に無料相談する
注文住宅は同じ要望でも会社によって数百万円の差が出ます。展示場を1社ずつ回る前に、特定の会社を勧めない中立のアドバイザーに「予算・エリア・希望」を伝えて、合う会社を絞ってもらうと遠回りしません。LIFULL HOME’S 住まいの窓口は相談料無料、営業なし、店舗でもオンラインでも相談できます。
まずは自分で資料を集めたい方は 持ち家計画(複数社にまとめて資料請求・PR) も使えます。
みらいエコ住宅2026事業のよくある質問
- Q子どもがいなくても、みらいエコ住宅2026事業の補助は受けられますか?
- A
GX志向型住宅の新築であれば、すべての世帯が対象です。長期優良住宅とZEH水準住宅の新築は、子育て世帯または若者夫婦世帯に限られます。リフォームの世帯要件は公式サイトの最新情報で確認してください。
- Q自分で補助金を申請できますか?
- A
できません。申請は事業者登録をした住宅会社やリフォーム会社が行い、交付された補助金は契約時の取り決めに従って施主に還元されます。そのため、登録事業者と契約することが前提になります。
- Q今からZEH水準住宅の注文住宅で補助を受けられますか?
- A
注文住宅のZEH水準住宅は、予約申請の期限が2026年8月17日、交付申請の期限が9月30日です。予約をしていない場合、これから新たに補助を受けるのは難しいため、長期優良住宅やGX志向型住宅で申請できないかを住宅会社に相談してください。
- QGX志向型住宅の締切はいつですか?
- A
予約申請が2026年11月16日、交付申請が12月31日までです。ただし予算上限に達した時点で受付が終了します。9月24日時点で予算執行率は59%なので、年内に着工する予定なら早めに予約申請を済ませることをおすすめします。
- Q給湯器の交換だけでもリフォーム補助の対象になりますか?
- A
みらいエコ住宅2026事業のリフォームでは、開口部と躯体の断熱改修の組み合わせが必須のため、給湯器の交換だけでは対象になりません。高効率給湯器の交換だけなら、給湯省エネ2026事業の対象になるかを確認してください。
まとめ:締切と会社選びで補助額が決まる
みらいエコ住宅2026事業は、新築なら最大125万円、リフォームなら最大100万円が受けられる大型の補助金です。一方で、施主が自分で申請できず、住宅の区分ごとに締切が違い、予算がなくなれば年内でも終了します。
これから家を建てる人は、まず「登録事業者か」「GX志向型・長期優良のどちらを目指すか」「予約申請をいつ行うか」の3点を会社に確認してください。補助額の違いは性能の違いでもあるので、光熱費や住み心地まで含めて比較すると、長い目で見て得をする選択がしやすくなります。

