建売住宅と土地付きの注文住宅。フラット35の利用者で比べると、2025年度の平均は建売が4,215万円、注文が5,313万円で、差は約1,100万円でした。
出典: 住宅金融支援機構『2025年度 フラット35利用者調査』(2026年)
ただし、この差を「同じ家を注文で建てると1,100万円高い」と読むのは早とちりです。
同じ調査では、注文住宅のほうが延床面積で約10㎡、敷地で約75㎡広い。つまり差額の中には、自由設計の代金だけでなく「より広い土地と家」の代金も入っています。価格差の中身をほどき、どんな人にどちらが向くのかを、住宅金融支援機構と国土交通省の調査から順に見ていきます。
まず1枚の表で。建売と注文住宅はここが違う
建売住宅は、土地と建物をセットで、完成済みか完成予定の状態で買う家です。注文住宅は、土地を用意したうえで建築会社と工事の契約を結び、間取りから決めて建てる家。違いは「何を、いつ、誰と契約するか」から生まれます。
| 比べる項目 | 建売住宅 | 土地付注文住宅 |
|---|---|---|
| 平均の総額(全国) | 4,215万円 | 5,313万円 |
| 平均の延床面積 | 100.4㎡ | 110.3㎡ |
| 敷地面積(中央値) | 131.5㎡ | 206.1㎡ |
| 契約 | 売買契約1本 | 土地の売買+建物の工事請負の2本 |
| 実物を見て決める | できる(完成済みなら) | できない(図面とモデルハウスで判断) |
| 間取り・仕様の自由 | ほぼ決まっている | 会社の範囲内で選べる |
出典: 住宅金融支援機構『2025年度 フラット35利用者調査』(2026年)。上3行が調査の平均値(敷地は中央値)、下3行は編集部の整理
フラット35の利用者に占める割合は、建売住宅が23.5%、土地付注文住宅が21.8%、土地を持っている人の注文住宅が10.9%でした。新築の一戸建てを選ぶ人は、建売と注文でおおむね半々に分かれています。
出典: 住宅金融支援機構『2025年度 フラット35利用者調査』(2026年)
迷うのは当然のことで、国土交通省の住宅市場動向調査では、建売(分譲戸建住宅)を買った世帯の55.2%が注文住宅とも比べており、注文住宅を建てた世帯の51.4%が建売とも比べていました。
出典: 国土交通省『令和7年度 住宅市場動向調査 報告書』(2026年)。注文住宅は全国、分譲戸建住宅は三大都市圏の調査
約1,100万円の価格差。中身をほどくと
土地付注文住宅の5,313万円は、建設費3,738万円と土地取得費1,575万円の合計です。建売の4,215万円は、土地と建物をまとめた購入価額。内訳が公表されていないので、建物だけ、土地だけでの比較はできません。
出典: 住宅金融支援機構『2025年度 フラット35利用者調査』(2026年)
差が広がるのは首都圏と東海圏
圏域別に並べると、差の大きさはかなり違います。
| 地域 | 建売住宅 | 土地付注文住宅 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 全国 | 4,215万円 | 5,313万円 | 1,098万円 |
| 首都圏 | 4,835万円 | 6,404万円 | 1,569万円 |
| 近畿圏 | 4,065万円 | 5,486万円 | 1,421万円 |
| 東海圏 | 3,662万円 | 5,325万円 | 1,663万円 |
| その他地域 | 3,395万円 | 4,751万円 | 1,356万円 |
出典: 住宅金融支援機構『2025年度 フラット35利用者調査』(2026年)。土地付注文住宅は建設費と土地取得費の合計。差額は編集部が計算

首都圏では建売が4,835万円、土地付注文が6,404万円で、差は約1,570万円。首都圏の土地付注文住宅は、土地取得費だけで2,590万円かかっています。東海圏は土地代が首都圏より安いものの、建売の価格が3,662万円と低いため、差は約1,660万円と最も開きました。
出典: 住宅金融支援機構『2025年度 フラット35利用者調査』(2026年)
建設費だけを見ると、どの圏域も3,600万〜3,900万円台に収まっています。地域で総額を大きく動かしているのは、建物より土地のほうだと分かります。土地の相場の調べ方と、土地を買うときにかかる税や手数料は土地購入の諸費用で整理しました。
広さを割り引いて考える
建売は延床100.4㎡、注文は110.3㎡。約10㎡は、6畳の部屋がひとつ増えるくらいの差です。敷地は中央値で131.5㎡と206.1㎡で、こちらは約1.6倍の開きがあります。
出典: 住宅金融支援機構『2025年度 フラット35利用者調査』(2026年)
編集部の見方では、1,100万円のうち、かなりの部分は「土地の広さ」に払われています。郊外の広い区画を買って注文で建てる人と、駅に近いコンパクトな区画の建売を買う人が、同じ平均の中に混ざっているからです。比べるなら、同じ駅・同じくらいの敷地で、建売の価格と「土地+建物」の見積もりを並べるのが確かです。
建物の坪単価から総額の見当をつけたいときは注文住宅の坪単価が使えます。
毎月の返済はいくら違うか
価格差は、そのまま返済の差になります。フラット35の利用者の平均を並べました。
| 家計の指標(全国平均) | 建売住宅 | 土地付注文住宅 |
|---|---|---|
| 世帯年収 | 680万円 | 742万円 |
| 年収倍率 | 6.9倍 | 7.8倍 |
| 手持金(頭金など) | 429万円 | 481万円 |
| 1か月あたりの予定返済額 | 12.57万円 | 15.23万円 |
| 総返済負担率 | 23.9% | 26.4% |
出典: 住宅金融支援機構『2025年度 フラット35利用者調査』(2026年)。年収倍率は所要資金を世帯年収で割った値、総返済負担率は月の予定返済額を世帯月収で割った値
土地付注文住宅を建てた世帯は、年収が約60万円高いにもかかわらず、年収倍率は7.8倍、総返済負担率は26.4%でした。どちらも建売を上回ります。毎月の返済の差は約2万7,000円です。
首都圏に絞ると、土地付注文住宅の年収倍率は8.6倍まで上がり、建売は7.3倍でした。
出典: 住宅金融支援機構『2025年度 フラット35利用者調査』(2026年)
年収のどこまでを家に回すかの目安は注文住宅の予算と年収倍率で掘り下げています。金利が上がると返済額がどう動くかは金利上昇と返済額の試算で確かめてください。
見落としやすい「払う時期」の違い
建売は、引き渡しのときに残金を払い、同時に住宅ローンが実行されるのが一般的です。注文住宅は、土地の代金、工事の着手金、中間金を、建物が完成する前に払う場面が出てきます。
住宅ローンは原則として建物の完成後に実行されるため、その前の支払いをつなぎ融資や土地先行融資でまかなうことになります。利息や手数料が別にかかり、家賃と並行して払う期間もできる。総額の比較表には出てこない出費です。注文住宅の諸費用の内訳は注文住宅の諸費用にまとめています。
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選んだ理由と、住んでから不満に思ったこと
国土交通省の住宅市場動向調査は、家を選んだ理由と、住んでみて満足していない点を同じ形式で聞いています。比べると、建売と注文住宅で買う人の考え方がはっきり分かれます。
| 住宅を選んだ理由(複数回答) | 分譲戸建住宅 | 注文住宅 |
|---|---|---|
| 新築住宅だから | 57.7% | 44.2% |
| 一戸建てだから | 57.4% | 42.1% |
| 住宅の立地環境が良かったから | 43.2% | 28.9% |
| 価格が適切だったから | 35.8% | 22.5% |
| デザイン・広さ・設備等が良かったから | 34.5% | 45.6% |
| 信頼できる住宅メーカーだったから | 19.0% | 55.8% |
出典: 国土交通省『令和7年度 住宅市場動向調査 報告書』(2026年)。どちらも三大都市圏の値
建売を買った世帯は、立地と価格で選んでいます。注文住宅を建てた世帯は、会社への信頼とデザインで選んでいる。いちばん大きな差は「信頼できる住宅メーカーだったから」で、36.8ポイント開きました。
注文住宅は家そのものより先に、会社を選ぶ買い物だということです。
不満の1位はどちらも「価格」。ただし割合が違う
住んでから満足していない点では、注文住宅の36.1%が「価格(予定より高くなった)」を挙げ、全項目で最も多くなりました。分譲戸建住宅は21.9%で、こちらは「特になし」の35.2%のほうが上回っています。
出典: 国土交通省『令和7年度 住宅市場動向調査 調査結果の概要(抜粋)』(2026年)。注文住宅は全国、分譲戸建住宅は三大都市圏の調査

自由に決められるほど、打ち合わせのたびに金額が積み上がり、予算を超える。注文住宅の後悔は、性能やデザインより先にお金の面で起きやすいことが、この数字から読み取れます。注文住宅でよくある後悔の具体例は注文住宅の後悔と失敗にまとめました。
一方、建売は価格への不満が少なく、交通の利便性への不満が注文住宅をやや上回っています。値段を見て納得して買うぶん、後から高くついたという感覚は持ちにくい。そのかわり、立地は売り出された区画の中からしか選べません。
設備で見ると、注文住宅は「断熱と安全性」で選ばれる
同じ調査では、決め手になった設備や性能も聞いています。建売と注文住宅で、上位の顔ぶれが入れ替わりました。
| 決め手になった設備・性能(複数回答) | 分譲戸建住宅 | 注文住宅 |
|---|---|---|
| 間取り、部屋数 | 68.2% | 49.3% |
| 住宅の広さ | 47.7% | 36.0% |
| 住宅のデザイン | 56.1% | 61.0% |
| 火災・地震・水害などに対する安全性の高さ | 26.2% | 50.3% |
| 高気密・高断熱住宅 | 21.5% | 66.0% |
出典: 国土交通省『令和7年度 住宅市場動向調査 報告書』(2026年)。注文住宅は全国、分譲戸建住宅は三大都市圏の調査
建売を買った世帯の決め手は、間取りと広さ。目で見て分かる部分です。注文住宅では「高気密・高断熱住宅」が66.0%で1位になり、災害への安全性も50.3%と、建売の約2倍でした。
断熱や耐震は、完成した家を見学しても違いが分かりにくい性能です。だからこそ、自分で仕様を決められる注文住宅で重視されるのだと、編集部は受け止めています。建売を選ぶ場合でも、断熱等級や耐震等級は販売資料で数字として確かめられます。断熱材の違いは断熱材の比較で整理しました。
メリットとデメリットを、買う人の側から
建売住宅
利点は、総額が最初に分かること、完成済みなら日当たりや眺めを自分の目で確かめられること、契約から入居までが短いことです。ローンの手続きも売買契約1本にそろうので、つなぎ融資を考えずに済みます。
弱点は、間取りや断熱・耐震の仕様を選べないことと、建てている途中を見られないこと。完成後に買う場合、基礎や壁の中は確認できません。性能を重視するなら、住宅性能評価書があるか、耐震等級はいくつかを、価格と同じ重さで見ておきたいところです。耐震等級の見方は耐震等級3の費用とメリットで確かめられます。
注文住宅
利点は、家族の暮らし方に合わせて間取りと性能を決められることです。断熱や耐震の等級、太陽光発電の有無まで自分で選べ、工事の途中も見に行けます。
弱点は、決めることが多く、そのたびに金額が動くこと。土地探しから始めると、契約が土地と建物で2回になり、入居までの期間も長くなります。土地を持っていて建て替える場合は、平均の建設費が4,260万円、延床面積が118.4㎡と、土地を買う人とは前提が変わってきます。
出典: 住宅金融支援機構『2025年度 フラット35利用者調査』(2026年)
会社の種類によっても進め方が違います。工務店とハウスメーカーの違いは工務店とハウスメーカーの違いで比べました。
中間の選択肢「建築条件付き土地」
土地を買う条件として、売主が指定した会社で家を建てる契約を結ぶのが建築条件付き土地です。間取りはある程度選べますが、会社は選べません。契約の順番や、条件が合わなかったときの扱いを事前に確かめておく必要があります。注意点は建築条件付き土地の隠れコストで取り上げています。
比べる相手に、中古の一戸建ても入れておく
建売を買った世帯の21.9%、注文住宅を建てた世帯の12.7%は、中古の一戸建ても候補にしていました。新築どうしで決めきれないとき、もう一つの物差しになります。
出典: 国土交通省『令和7年度 住宅市場動向調査 報告書』(2026年)。注文住宅は全国、分譲戸建住宅は三大都市圏の値
| フラット35利用者の平均(全国) | 中古戸建 | 建売住宅 | 土地付注文住宅 |
|---|---|---|---|
| 購入・建築の総額 | 2,783万円 | 4,215万円 | 5,313万円 |
| 延床面積 | 114.8㎡ | 100.4㎡ | 110.3㎡ |
| 年収倍率 | 5.3倍 | 6.9倍 | 7.8倍 |
出典: 住宅金融支援機構『2025年度 フラット35利用者調査』(2026年)。中古戸建の平均築後年数は22.7年
中古戸建は、平均で建売より約1,400万円安く、延床面積は建売より広い。ただし平均の築年数は22.7年で、断熱や耐震の改修費が後から加わることを見込む必要があります。改修費を足しても新築の建売より安いかどうか。そこが分かれ目です。
新築にこだわる理由が「新しい設備」なのか「性能」なのかを家族で言葉にしておくと、建売と注文住宅のどちらを選ぶかも決めやすくなります。
どっちがおすすめか。決める順番を図に
建売か注文住宅かは、好みより先に、条件で絞れます。私たちが考える順番を図にしました。4人家族が今の賃貸から住み替える場面を想定しています。

最初に土地の有無を聞くのは、ここで比較の前提がまるごと変わるからです。次に立地。住みたい場所に土地が出ていなければ、注文住宅は選びようがありません。
入居の期限は、子どもの入学や賃貸の更新で決まることが多く、土地探しから始める注文住宅では間に合わない場合があります。公的な統計で入居までの平均期間を示すものは確認できなかったため、ここでは期限の有無だけで分けました。
編集部の考え: 譲れない条件が「広さ」だけなら、建売の中から広い物件を探すほうが近道になることがあります。注文住宅の値打ちが出るのは、間取り、断熱、耐震のように、建売では選べない部分に条件があるときです。
見積もりは「同じ土俵」で並べる
比べる段階では、建売の価格表と、注文住宅の「土地代+建物の見積もり+諸費用」を同じ表にします。建売の価格に外構や照明が含まれていても、注文住宅の見積もりでは別の項目になっている場合があり、項目をそろえないと差額を見誤ります。見積書の読み方は注文住宅の見積もりの見方で詳しく取り上げました。
ローコスト住宅を候補に入れると、建売との差はさらに縮まります。注意点は1000万円台の家の注意点にあります。
ここが気になる、という声に
- Q建売住宅と注文住宅は、外から見分けられますか?
- A
外観だけで確実に見分ける方法はありません。同じ形の家が並ぶ分譲地は建売であることが多いものの、規格型の注文住宅も似た外観になります。気になる物件は、販売図面の「売主」「建築確認番号」や、不動産会社への問い合わせで確かめるのが確実です。
- Q建売住宅でも値引きはありますか?
- A
完成から時間がたった物件では、売主が価格を見直すことがあります。ただし値引きの幅を示す公的な統計はなく、物件ごとの交渉になります。値引きに気を取られて、性能や周辺環境の確認がおろそかになるのは避けたいところです。
- Q建売住宅を買って、あとからリフォームできますか?
- A
できます。ただ、壁の位置や窓の大きさを変える工事は費用がかさみ、構造によっては動かせない壁もある点に注意が必要です。間取りを大きく変えたいなら、最初から注文住宅を比べたほうが総額を抑えられることもあります。
- Q固定資産税の軽減は、建売と注文住宅で違いますか?
- A
新築住宅の固定資産税の軽減は、建売か注文かではなく、床面積などの条件で決まります。長期優良住宅なら軽減期間が延びるので、建売でも認定を受けているかを確かめておくと得です。仕組みは新築の固定資産税の軽減で確かめられます。
- Qフラット35の調査の数字は、民間ローンで買う人にも当てはまりますか?
- A
フラット35の利用者に限った平均なので、全体の平均とは一致しない可能性があります。それでも、建売と注文住宅を同じ条件で毎年比べられる公的な資料は限られており、目安として使う価値はあると私たちは考えています。
判断の目安
平均で約1,100万円の差は、家の自由度だけでなく、土地と建物の広さの差を含んだ数字でした。同じエリアで同じくらいの広さを比べれば、差はもっと小さくなります。
土地をすでに持っている人は、この比較の外にいます。土地代がかからないぶん、注文住宅の平均建設費4,260万円は建売の平均価格とほぼ同じ水準でした。建て替えなら解体費、親の土地なら名義や贈与の整理が別に要るので、その費用を足したうえで判断してください。
出典: 住宅金融支援機構『2025年度 フラット35利用者調査』(2026年)
立地と期限を優先するなら建売、間取りや性能に譲れない条件があるなら注文住宅。注文住宅を選ぶなら、不満の1位が「予定より高くなった」だったことを思い出して、上限額を先に決めてから打ち合わせに入ってください。
どの会社に頼むか迷ったら、中立の窓口に無料相談する
注文住宅は同じ要望でも会社によって数百万円の差が出ます。展示場を1社ずつ回る前に、特定の会社を勧めない中立のアドバイザーに「予算・エリア・希望」を伝えて、合う会社を絞ってもらうと遠回りしません。LIFULL HOME’S 住まいの窓口は相談料無料、営業なし、店舗でもオンラインでも相談できます。
まずは自分で資料を集めたい方は 持ち家計画(複数社にまとめて資料請求・PR) も使えます。
参考・出典
- 住宅金融支援機構『2025年度 フラット35利用者調査』(2026年7月24日公表)
- 住宅金融支援機構『2025年度 フラット35利用者調査 集計表』
- 国土交通省『令和7年度住宅市場動向調査の結果をとりまとめ』(2026年7月17日公表)
- 国土交通省『令和7年度 住宅市場動向調査 報告書』
- 国土交通省『令和7年度 住宅市場動向調査 調査結果の概要(抜粋)』
参照日: 2026年11月6日
