「将来を考えると平屋がいいけれど、高いと聞く」「二階建てのほうが安いなら、そちらで十分?」――家づくりでいちばん最初に迷うのが、平屋にするか二階建てにするかです。インターネットでは「平屋は坪単価が高い」「固定資産税が高い」「地震に強い」といった話がよく出てきますが、理由まで説明されていることは多くありません。
この記事では、同じ延べ床面積30坪の家を例に、平屋と二階建ての費用の違いを建物・土地・税金・手続きの4つに分けて比べます。数値は住宅金融支援機構のフラット35利用者調査、建築基準法、総務省の固定資産税の資料など、公的な情報で確認できたものだけを使いました。さらに、競合記事ではあまり触れられていない1.5階建てという中間案や、二階建てを平屋にする減築・建て替えの考え方も解説します。
この記事の結論
・同じ延べ床面積なら、平屋は基礎と屋根が約2倍になるため建物の坪単価は高くなりやすい。ただし階段・2階の水まわり・足場が減る分、総額の差は設計しだいで縮まる
・差がいちばん大きいのは土地。建蔽率50%の地域で30坪の平屋を建てるには、敷地が最低でも約198㎡必要で、総2階の約2倍
・固定資産税は「平屋だから高い」とは言い切れない。土地は200㎡までが1/6に軽減されるため、200㎡以内なら増え方はゆるやか
・2025年4月から、2階建ての木造住宅は確認申請で構造の審査が必要になった。延べ200㎡以下の平屋は対象外
・結論は「土地が安く広く取れるなら平屋、都市部で土地代が高いなら二階建て」。迷ったら1.5階建ても候補に
- 平屋と二階建ての違いとは?まず押さえたい5つの比較ポイント
- 平屋と二階建ての費用はどっちが安い?坪単価と総額の違い
- 必要な土地の広さと土地代の違い|建蔽率で計算する
- 固定資産税は平屋のほうが高い?土地と家屋に分けて考える
- 地震・安全性と手続きの違い|2025年4月の4号特例縮小
- 平屋と二階建てのメリット・デメリット|間取りと暮らしやすさ
- 平屋と二階建ての中間「1.5階建て」という選択肢
- 二階建てを平屋にする「減築」と建て替え、どちらを選ぶ?
- 平屋と二階建てどっちがいい?向いている人の判断フロー
- 失敗しない平屋・二階建ての決め方|5つの手順
- 平屋と二階建ての費用に関するよくある質問
- まとめ:平屋と二階建ては「土地込みの総額」と「暮らし方」で決める
- 参考・出典
平屋と二階建ての違いとは?まず押さえたい5つの比較ポイント
平屋は、生活空間がすべて1階にある家です。二階建ては1階と2階に部屋を分けて配置します。同じ広さの家でも、「横に広げるか、上に積むか」の違いで、必要な土地の広さ、工事の量、暮らし方、税金のかかり方が変わります。最初に全体像を表で整理しておきましょう。
| 比較ポイント | 平屋 | 二階建て |
|---|---|---|
| 建物の費用(坪単価) | 基礎・屋根が大きく、坪単価は高くなりやすい | 基礎・屋根が小さい。階段・2階設備・足場の費用がかかる |
| 必要な土地の広さ | 広い(建築面積=延べ床面積) | 平屋の約半分でも建てられる |
| 固定資産税 | 家屋評価は工事量の影響を受ける。土地が広い分、土地の税額も増える | 土地は小さく済む。家屋は仕様しだい |
| 構造・手続き | 木造・延べ200㎡以下なら構造審査の省略が続く(新3号) | 2025年4月から構造の審査が必要(新2号) |
| 暮らしやすさ | 階段がなく上下移動ゼロ。家族の気配を感じやすい | 生活空間を上下で分けられ、プライバシー・眺望を確保しやすい |
| メンテナンス | 外壁・屋根の点検で高所作業が少ない | 外壁塗装などで2階分の足場が必要 |
ポイントは、建物だけを見ると平屋が割高になりやすい一方、土地を含めた総額や建てた後の費用まで見ると、どちらが得かは条件で逆転するという点です。以下で、項目ごとに理由と数字を見ていきます。
平屋と二階建ての費用はどっちが安い?坪単価と総額の違い
注文住宅の坪単価の全国相場(2025年度)
住宅金融支援機構の2025年度フラット35利用者調査によると、土地を持っている人が建物だけを建てた「注文住宅」の全国平均は、建設費4,259.8万円・住宅面積118.4㎡、1㎡当たりの建設費は35.9万円(坪単価に換算すると約118.7万円)でした。土地も一緒に買った「土地付注文住宅」では、建設費3,737.6万円、土地取得費1,575.3万円です。
| 項目(全国平均) | 注文住宅 | 土地付注文住宅 |
|---|---|---|
| 建設費 | 4,259.8万円 | 3,737.6万円 |
| 住宅面積 | 118.4㎡(約35.8坪) | 110.3㎡(約33.4坪) |
| 1㎡当たり建設費 | 35.9万円(坪約118.7万円) | ― |
| 土地取得費 | ― | 1,575.3万円 |
出典:住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」(2026年)。坪換算は1坪=3.30579㎡で当サイトが算出
この調査は平屋と二階建てを分けて集計していないため、「平屋の坪単価はいくら」という公的な平均値はありません。ハウスメーカーの広告にある平屋の坪単価も、本体工事だけの金額であることが多く、そのまま比べられません。くわしくは注文住宅の坪単価2026(47都道府県ランキング)で解説しています。ここでは、なぜ平屋の坪単価が高くなりやすいのかを工事の量から確認します。
同じ30坪でも基礎と屋根の面積が約2倍になる
延べ床面積30坪(約99.2㎡)の家を、平屋と総2階(1階と2階が同じ形の二階建て)で比べると、次のようになります。総2階の場合、1階の床面積は延べ床面積の半分です。
| 30坪のモデル | 平屋 | 総2階の二階建て |
|---|---|---|
| 延べ床面積 | 99.2㎡ | 99.2㎡ |
| 1階の床面積(建築面積の目安) | 99.2㎡ | 49.6㎡ |
| 基礎の面積の目安 | 約99㎡ | 約50㎡ |
| 屋根の面積(水平投影・軒の出を除く)の目安 | 約99㎡ | 約50㎡ |
| 階段 | 不要 | 必要(1か所) |
| 工事用の足場 | 1階分の高さ | 2階分の高さ |

グラフ:延べ床面積99.2㎡、建蔽率50%・容積率100%の場合の当サイトの計算。出典:e-Gov法令検索「建築基準法」第52条(容積率)・第53条(建蔽率)。必要面積は当サイトの計算
基礎と屋根は、住宅の工事の中でも材料と手間がかかる部分です。平屋はこの2つが二階建ての約2倍になるため、同じ延べ床面積なら建物の坪単価は高くなりやすい、というのが「平屋は高い」と言われる理由です。
一方で、二階建てには平屋にない費用があります。階段そのものと、階段が占める床面積(各階に必要)、2階のトイレや洗面などの給排水工事、2階まで届く足場や、2階の床・梁を支えるための構造材です。平屋はこれらが不要になるので、延べ床面積を小さくまとめられれば総額の差は縮まります。廊下を減らした平屋なら、二階建てより2〜3坪小さくても同じ使い勝手になることがあります。
「坪単価」は延べ床面積で割った金額なので、廊下や階段を減らして面積を小さくすると、総額は下がっても坪単価は上がります。平屋と二階建ては坪単価ではなく、同じ要望を満たす間取りの総額で比べましょう。見積もりの比べ方は注文住宅の見積もりの見方を参考にしてください。
必要な土地の広さと土地代の違い|建蔽率で計算する
建蔽率・容積率で決まる最低限の敷地面積
建物を建てられる大きさは、建築基準法の建蔽率(敷地面積に対する建築面積の割合)と容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合)で決まります。建築基準法第53条では、第一種・第二種低層住居専用地域などの建蔽率は「10分の3、10分の4、10分の5又は10分の6のうち都市計画で定めたもの」とされています。数値は地域ごとに都市計画で決まるので、候補地の用途地域で確認が必要です。
平屋は建築面積=延べ床面積なので、建蔽率の影響を直接受けます。30坪の家に必要な敷地の最低面積を、建蔽率と容積率の組み合わせ例ごとに計算しました。
| 建蔽率/容積率(例) | 30坪の平屋に必要な敷地 | 30坪の総2階に必要な敷地 | 差 |
|---|---|---|---|
| 30%/50% | 約331㎡(約100.0坪) | 約198㎡(約60.0坪) | 約132㎡ |
| 40%/80% | 約248㎡(約75.0坪) | 約124㎡(約37.5坪) | 約124㎡ |
| 50%/100% | 約198㎡(約60.0坪) | 約99㎡(約30.0坪) | 約99㎡ |
| 60%/150% | 約165㎡(約50.0坪) | 約83㎡(約25.0坪) | 約83㎡ |
| 60%/200% | 約165㎡(約50.0坪) | 約83㎡(約25.0坪) | 約83㎡ |
出典:e-Gov法令検索「建築基準法」第52条(容積率)・第53条(建蔽率)。必要面積は当サイトの計算
たとえば建蔽率50%の地域では、30坪の平屋には最低でも約198㎡(約60坪)の敷地が必要です。総2階なら約99㎡で足ります。実際には駐車場、庭、隣地からの離れ、北側斜線や外壁後退などのルールもあるため、平屋では表の数字よりさらに広い土地を見込むのが現実的です。建蔽率30〜40%の地域が多い郊外の住宅地では、平屋に必要な敷地が80坪を超えることもあります。
都道府県によって土地代の重みは3倍以上違う
広い土地が必要になる影響は、地域の土地代で大きく変わります。フラット35利用者調査で、土地と建物を一緒に取得した人の土地取得費の平均を比べると、次のとおりです。

グラフ:出典:住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」(2026年)。坪換算は1坪=3.30579㎡で当サイトが算出
東京都の土地取得費は平均4,269.4万円で、北海道(1,200.3万円)の約3.6倍です。都市部では敷地を1.5〜2倍に広げるだけで数百万〜数千万円の差になり、建物の割高分よりも土地の追加分のほうが大きくなりがちです。反対に、土地が比較的安い地方や、すでに広い土地を持っている場合(実家の敷地など)は、平屋の不利はほとんど消えます。土地探しの進め方は千葉市6区の土地相場などの地域記事も参考にしてください。
どの会社に頼むか迷ったら、中立の窓口に無料相談する
注文住宅は同じ要望でも会社によって数百万円の差が出ます。展示場を1社ずつ回る前に、特定の会社を勧めない中立のアドバイザーに「予算・エリア・希望」を伝えて、合う会社を絞ってもらうと遠回りしません。LIFULL HOME’S 住まいの窓口は相談料無料、営業なし、店舗でもオンラインでも相談できます。
まずは自分で資料を集めたい方は 持ち家計画(複数社にまとめて資料請求・PR) も使えます。
固定資産税は平屋のほうが高い?土地と家屋に分けて考える
「平屋は固定資産税が高い」とよく言われますが、固定資産税は土地と家屋に別々にかかります。分けて考えると、何が税額を左右するかが見えてきます。
土地:200㎡までは課税標準が6分の1
総務省の資料によると、固定資産税の標準税率は1.4%です。住宅が建っている土地には特例があり、200㎡以下の部分(小規模住宅用地)は課税標準が6分の1、200㎡を超える部分(一般住宅用地)は3分の1になります。
出典:総務省「固定資産税の概要」
土地の評価額を1㎡あたり5.0万円と仮定し、敷地面積ごとの土地の固定資産税(年額)を試算すると次のとおりです。
| 敷地面積 | 想定する家 | 土地の固定資産税(年額・試算) |
|---|---|---|
| 120㎡ | 30坪の総2階 | 約1.4万円 |
| 165㎡ | 30坪の平屋(建蔽率60%) | 約1.9万円 |
| 200㎡ | 30坪の平屋(建蔽率50%) | 約2.3万円 |
| 250㎡ | 平屋+駐車場・庭 | 約3.5万円 |
試算条件:評価額は当サイトの仮定値、税率1.4%。出典:総務省「固定資産税の概要」
敷地が120㎡から200㎡に広がると土地の税額も増えますが、200㎡までは6分の1の特例が効くため、増え方は比較的ゆるやかです。200㎡を超えた部分は3分の1になるので、平屋で敷地が大きくなるほど差が開きます。実際の評価額は地域で大きく違うので、候補地の評価額は売主や不動産会社、市町村の資産税課で確認しましょう。
家屋:平屋か二階建てかより「使う材料の量」で決まる
家屋の評価額は、階数ではなく、使われている資材や設備の量・種類をもとに市町村が算出します。そのため平屋だから必ず高い、二階建てだから安いとは言えません。ただ、平屋は基礎と屋根の量が多くなるため、同じ延べ床面積なら評価額が高めに出る要因になり得ます。
新築住宅には固定資産税の減額もあります。総務省の資料では、一般の住宅は3年間、3階建て以上(耐火・準耐火)は5年間、税額が2分の1になります。川崎市の案内によると、減額は居住部分120㎡相当分までで、2026年4月1日以降に新築した住宅は居住部分の床面積が40㎡以上240㎡以下であることが要件です(2026年3月31日までに新築した住宅は50㎡以上280㎡以下)。平屋か二階建てかによる違いはなく、30坪(約99㎡)の家なら全体が減額の対象になります。
出典:総務省「固定資産税の概要」、出典:川崎市「新築住宅に対する固定資産税の減額措置について知りたい。」(2026年4月更新)
住宅にかかる税金の全体像は、注文住宅の諸費用の内訳と相場や2026年の住宅ローン控除の解説もあわせて確認してください。
地震・安全性と手続きの違い|2025年4月の4号特例縮小
2025年4月1日に建築基準法が改正され、木造住宅の確認申請のしくみが変わりました。札幌市の案内では、「2階建て又は延べ面積が200平方メートルを超える建築物(新2号建築物)は、構造によらず、構造関係規定等の審査が必要」と説明されています。これまで多くの木造二階建て住宅は、建築士が設計すれば構造の審査が省略される「4号特例」の対象でしたが、この特例が縮小されました。
一方、木造の平屋で延べ面積200㎡以下の住宅は「新3号建築物」となり、審査の一部省略が続きます。また、改正にあわせて原則すべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務付けられました。
出典:札幌市「【令和7年(2025年)4月施行】建築基準法・建築物省エネ法の改正について」、国土交通省「2025年4月から4号特例が変わります」(2023年)
| 区分(2025年4月以降) | 主な対象 | 確認申請での構造の審査 |
|---|---|---|
| 新2号建築物 | 木造2階建て、延べ面積200㎡超の木造平屋など | 必要(構造関係規定等の図書を提出) |
| 新3号建築物 | 木造平屋で延べ面積200㎡以下 | 一部省略が継続 |
出典:札幌市「【令和7年(2025年)4月施行】建築基準法・建築物省エネ法の改正について」、国土交通省「2025年4月から4号特例が変わります」(2023年)
二階建てで構造の審査が必要になったことで、設計段階で構造の検討や書類の作成が増え、設計期間や設計料に影響することがあります。見積もりの段階で、確認申請にかかる費用と期間を会社に確認しておきましょう。
安全性の面では、平屋は建物が低く重さが1フロアに収まるため、構造計画上は有利になりやすいとされます。ただし、地震への強さは階数ではなく耐震等級や壁の量・配置で決まります。平屋でも二階建てでも、耐震等級を設計段階で確認し、断熱性能や屋根材の重さとあわせて検討することが大切です。また、平屋は寝室も1階にあるため、浸水が想定される土地では2階に避難できない点に注意が必要です。土地を選ぶ前に、自治体のハザードマップを必ず確認しましょう。
平屋と二階建てのメリット・デメリット|間取りと暮らしやすさ
平屋のメリット・デメリット
- メリット:階段がなく、高齢になっても暮らし方を変えずに住める/家事動線が1フロアで完結し、洗濯・掃除がしやすい/家族の気配を感じやすい/屋根の形を活かして勾配天井など開放的な空間をつくりやすい/外壁・屋根のメンテナンスで高い足場が少なくて済む
- デメリット:広い土地が必要/建物の中心部に光や風が届きにくく、中庭や天窓などの工夫が必要/寝室も道路や隣家に近く、防犯・プライバシー対策が必要/家族それぞれの音が伝わりやすい
二階建てのメリット・デメリット
- メリット:狭い土地でも必要な広さを確保できる/リビングと寝室を上下で分けられ、生活音やプライバシーの面で有利/2階は日当たりや眺望を取りやすい/二世帯住宅など世帯を上下で分けやすい
- デメリット:階段の上り下りが年齢とともに負担になる/洗濯物を2階に運ぶなど家事動線が長くなりやすい/外壁塗装などで2階分の足場が必要/2階の部屋は夏に暑くなりやすく、断熱・空調計画が重要
外壁のメンテナンス周期と費用は外壁材の比較(30年の総コスト)、窓の断熱は窓サッシの断熱性能の比較でくわしく解説しています。どちらを選んでも、建てた後のメンテナンス費用まで含めて比べることが、後悔しない家づくりにつながります。
平屋と二階建ての中間「1.5階建て」という選択肢
平屋の暮らしやすさは欲しいけれど、土地が足りない――そんなときに検討されるのが1.5階建て(平屋+α)です。1階に生活空間をまとめ、屋根裏の空間に小さな2階部分やロフト、小屋裏収納を設けるつくりです。
- メリット:生活の中心は1階なので、平屋に近い暮らし方ができる/子ども部屋や書斎、収納を上に逃がせるので、1階の建築面積を小さくでき、土地が平屋より狭くて済む/勾配屋根の形を活かした開放的な空間になる
- 注意点:小屋裏に部屋をつくると、屋根の断熱が不十分な場合は夏に暑くなりやすい/階段が必要になる/2階部分を居室にすると建築基準法上は2階建てとして扱われ、2025年4月以降は構造の審査が必要になる
小屋裏収納やロフトを階数や床面積に算入しない取り扱いには、天井高さや面積などの基準があり、具体的な運用は自治体(特定行政庁)ごとに定められています。「平屋扱いのまま収納を増やしたい」場合は、設計の初期段階で基準を確認してもらいましょう。
二階建てを平屋にする「減築」と建て替え、どちらを選ぶ?
子どもが独立して2階を使わなくなった、階段がつらくなった――という理由で、今の二階建てを平屋にしたいという相談も増えています。方法は大きく減築(2階を撤去して平屋にする)と建て替えの2つです。
| 比較 | 減築(2階を撤去) | 建て替え(平屋を新築) |
|---|---|---|
| 工事の内容 | 2階の解体、屋根の新設、構造補強 | 全体の解体と新築 |
| 費用の考え方 | 解体+屋根工事+補強。建物の状態で大きく変わる | 解体費+新築の建築費+諸費用 |
| 性能 | 1階の断熱・耐震は既存のまま(同時改修は可能) | 現在の省エネ基準・耐震基準で建てられる |
| 手続き | 2階建ての大規模な修繕・模様替えは建築確認の対象になる場合がある | 確認申請が必要 |
| 向いているケース | 1階の状態が良く、間取りを大きく変えない | 築年数が古い、断熱・耐震を根本から良くしたい |
札幌市の案内では、2025年4月以降、新2号建築物は「大規模な修繕・模様替えも建築確認の対象」になるとされています。2階の撤去は構造に関わる工事なので、確認申請の要否と、構造の安全性をどう確かめるかを、工事前に建築士へ確認しておくことが必要です。
出典:札幌市「【令和7年(2025年)4月施行】建築基準法・建築物省エネ法の改正について」、国土交通省「2025年4月から4号特例が変わります」(2023年)
減築の費用は建物の状態や工事の範囲で大きく変わり、全国的な相場を示す公的なデータはありません。必ず複数社に現地調査を依頼し、建て替えた場合の総額とも比べましょう。断熱・窓の改修を同時に行う場合は、国の補助制度が使えることがあります(みらいエコ住宅2026事業)。
なお、二世帯住宅では「二階建て+平屋」を組み合わせ、親世帯を平屋部分、子世帯を二階建て部分に分ける間取りもあります。土地が広く取れる場合は、世帯ごとの生活リズムを分けやすい選択肢です。
平屋と二階建てどっちがいい?向いている人の判断フロー

| こんな人には | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 土地を持っている・地方で土地が広く安い | 平屋 | 土地の追加費用が小さく、建物の割高分を吸収しやすい |
| 都市部で土地代が高い | 二階建て | 敷地を約半分にでき、総額を抑えやすい |
| 老後まで住み続けたい・バリアフリーを重視 | 平屋 | 階段がなく、生活がワンフロアで完結する |
| 子育て世帯で個室が多く必要 | 二階建て/1.5階建て | 個室を2階に分け、生活音やプライバシーを確保しやすい |
| 浸水想定区域の土地 | 二階建て | 上階への垂直避難ができる |
| 二世帯住宅 | 二階建て、または二階建て+平屋 | 世帯ごとに上下・左右で空間を分けやすい |
失敗しない平屋・二階建ての決め方|5つの手順
- STEP1必要な延べ床面積を決める家族構成と将来の暮らし方から、部屋数と収納量を決め、延べ床面積の目安を出します。
- STEP2候補地の用途地域・建蔽率を確認建蔽率・容積率・高さ制限で、平屋が建てられる広さかどうかを計算します。
- STEP3土地+建物の総額で予算を組む平屋なら土地が広くなる分を加え、諸費用まで含めた総額で比べます。
- STEP4同じ会社に両方のプランを依頼平屋案と二階建て案を同じ条件で見積もってもらい、総額と間取りを比較します。
- STEP5税金・メンテナンス・手続きを確認固定資産税の目安、外壁・屋根の修繕周期、確認申請の費用と期間を確認して決めます。
会社選びでは、平屋の実績が多い会社かどうかも確認しましょう。平屋は屋根の形や採光の工夫で住み心地が大きく変わるため、設計の得意・不得意が出やすいからです。会社の違いは工務店とハウスメーカーの違い、契約前の注意点は注文住宅の後悔・失敗ランキングで解説しています。
平屋と二階建ての費用に関するよくある質問
- Q平屋と二階建て、同じ広さならどっちが安いですか?
- A
建物だけなら、基礎と屋根が大きい平屋のほうが坪単価は高くなりやすいです。ただし、平屋は階段や2階の水まわりが不要で、廊下を減らせば延べ床面積を小さくできるため、総額の差は設計で縮まります。さらに平屋は土地が広く必要になるので、土地を買う場合は土地代を含めた総額で比べましょう。
- Q30坪の平屋にはどれくらいの土地が必要ですか?
- A
建蔽率50%の地域なら、建物だけで最低約198㎡(約60坪)の敷地が必要です。建蔽率60%なら約165㎡、40%なら約248㎡です。駐車場や庭、隣地との離れも必要なので、実際にはこれより広い土地を見込みましょう。
- Q平屋は固定資産税が高いのですか?
- A
必ず高いわけではありません。家屋の評価額は使う資材の量などで決まり、基礎や屋根が大きい平屋は高めに出る要因になり得ます。土地は広くなる分だけ税額が増えますが、200㎡までは課税標準が6分の1になる特例があります。新築住宅の減額(120㎡相当分まで税額1/2)は平屋・二階建てで違いはありません。
- Q2025年4月の法改正で二階建ては高くなりましたか?
- A
2階建ての木造住宅は、確認申請で構造関係規定等の審査が必要になりました。構造の検討や書類が増えるため、設計期間や設計料に影響する場合があります。金額は会社によって違うので、見積もり時に確認申請の費用と期間を確認しましょう。木造平屋で延べ200㎡以下なら、審査の一部省略が続きます。
- Q二階建てを平屋に減築するのと建て替えるのはどちらが得ですか?
- A
1階の構造や断熱の状態が良ければ減築、築年数が古く耐震・断熱を根本から見直したいなら建て替えが向いています。減築の費用は建物の状態で大きく変わり、公的な相場データはありません。現地調査を受けたうえで、両方の総額を比べて決めましょう。
まとめ:平屋と二階建ては「土地込みの総額」と「暮らし方」で決める
同じ延べ床面積なら、平屋は基礎と屋根が約2倍になるため、建物の坪単価は高くなりやすくなります。ただ、費用の差がいちばん大きく出るのは土地です。建蔽率50%の地域で30坪の平屋を建てるには約198㎡以上の敷地が必要で、総2階の約2倍になります。土地代の高い都市部では二階建て、土地が安く広く取れる地域や土地をすでに持っている場合は平屋が有力です。
固定資産税は、土地が200㎡までなら特例で負担の増え方はゆるやかで、新築住宅の減額は平屋・二階建てで同じです。2025年4月からは木造二階建ての確認申請で構造の審査が必要になりました。どちらか迷ったら、1.5階建ても含めて同じ条件で両方のプランと総額見積もりを取り、暮らし方と予算の両面から比べてください。
どの会社に頼むか迷ったら、中立の窓口に無料相談する
注文住宅は同じ要望でも会社によって数百万円の差が出ます。展示場を1社ずつ回る前に、特定の会社を勧めない中立のアドバイザーに「予算・エリア・希望」を伝えて、合う会社を絞ってもらうと遠回りしません。LIFULL HOME’S 住まいの窓口は相談料無料、営業なし、店舗でもオンラインでも相談できます。
まずは自分で資料を集めたい方は 持ち家計画(複数社にまとめて資料請求・PR) も使えます。
参考・出典
- 住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」(2026年)(参照日:2026年10月17日)
- e-Gov法令検索「建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)」第52条・第53条(参照日:2026年10月17日)
- 総務省「固定資産税の概要」(参照日:2026年10月17日)
- 川崎市「新築住宅に対する固定資産税の減額措置について知りたい。」(2026年4月1日更新)(参照日:2026年10月17日)
- 札幌市「【令和7年(2025年)4月施行】建築基準法・建築物省エネ法の改正について」(参照日:2026年10月17日)
- 国土交通省「2025年4月から4号特例が変わります」(2023年)(参照日:2026年10月17日)
