床材を「無垢フローリングにするか、複合フローリングにするか、クッションフロアにするか」で迷ったとき、ショールームの見た目や営業担当の好みだけで決めると後悔しやすくなります。床材の違いがはっきり表れるのは、①表面に何が貼ってあるか(構造)②湿気・傷・音への強さ ③材料の価格とお手入れの3つだからです。
この記事では、施工会社の体験談ではなく、農林水産省のフローリングの日本農林規格(JAS)、国土交通省のシックハウス対策、日本複合・防音床材工業会(JAFMA)の資料、メーカー公式の設計価格だけを使って、床材を比較しました。数値にはすべて出典を付けています。一次情報で一律に示せない「無垢フローリングの㎡単価の相場」や「何年もつか」は断定せず、代わりに見積もりや商品選びで確認すべき項目を整理しています。
この記事の結論:JASでは、ひき板1枚(1層)でできたものが「単層フローリング(いわゆる無垢)」、それ以外はすべて「複合フローリング」です。複合フローリングは表面の違いで、挽き板(厚い天然木)・突き板(JAFMAによると0.2〜0.6mmの薄い天然木)・シート(木目柄の印刷)の3つに分かれます。メーカー設計価格(税抜・材料のみ)で見ると、クッションフロア約3,000円/㎡、シート系フローリング約1.5万円/㎡、挽き板フローリング約2.1万〜3.2万円/㎡と、表面の天然木が厚くなるほど高くなります。「本物の木の質感」を優先するなら無垢か挽き板、「傷・水・お手入れのしやすさ」を優先するならシート系やクッションフロア、マンションなら遮音等級(LL-45など)を最優先で選ぶのが基本です。
この記事でわかること
- 無垢フローリング・複合フローリング(挽き板・突き板・シート)・クッションフロアの違いと見分け方
- JAS規格で決まっている含水率・ホルムアルデヒド放散量・摩耗試験の基準
- メーカー公式の設計価格で見る床材の価格差(材料のみ)
- 床暖房・ペット・マンションの遮音など、条件別の選び方と注意点
床材の種類とは?無垢・複合フローリング・クッションフロアの違い
住宅の床材は大きく、木を使った「フローリング」と、塩化ビニル樹脂などでできた「シート系床材(クッションフロアなど)」に分かれます。フローリングはさらに、JAS(日本農林規格)で「単層フローリング」と「複合フローリング」に分けられています。
無垢フローリング(単層フローリング)とは
一般に「無垢フローリング」と呼ばれるのは、JASでいう単層フローリングです。JASでは単層フローリングを「ひき板を基材とする構成層が1のフローリング」と定義しています(裏面に防湿や不陸緩和のための材料を貼ったものも含みます)。1枚の板でできた「フローリングボード」、板を2枚以上並べて接合した「フローリングブロック」、小さな木片を組み合わせた「モザイクパーケット」がこれにあたります(農林水産省 フローリングの日本農林規格)。
複合フローリングとは
JASでは単層フローリング以外のフローリングをすべて「複合フローリング」としています。合板やMDF(木の繊維を固めた板)などを土台(基材)にして、表面に化粧をしたものが一般的です。表面の化粧は、天然木のひき板や単板を使う「天然木化粧」と、それ以外(木目を印刷したシートなど)の「特殊加工化粧」に分かれます。
業界団体の日本複合・防音床材工業会(JAFMA)は、複合フローリングを表面材で次の3つに分けて説明しています(JAFMA「複合フローリングの種類」)。
- 挽き板(ひきいた):鋸で挽いた厚みのある木の板を表面に張ったもの。無垢に近い質感が出せる。たとえば朝日ウッドテックの「ライブナチュラルプレミアム」は、厚さ2mmの挽き板を使っています
- 突き板(つきいた):木材を0.2〜0.6mmに薄くスライスした板を合板の表面に張ったもの
- シート:木目柄などを印刷したシートを表面に張ったもの。印刷技術の進歩で、本物の木に近い色合いや手触りを再現した製品も増えています
クッションフロアとは
クッションフロアは、塩化ビニル樹脂を主原料にした、やわらかいシート状の床材です。フローリングのように1枚ずつ張るのではなく、ロール状の材料を部屋の形に切って張ります。たとえば東リの住宅用クッションフロア「CFシート-H」は、全厚1.8mm・幅1,820mmで、JIS A 5705(ビニル系床材)を取得しています(東リ公式)。水や汚れに強く、トイレや洗面所でよく使われます。
床材の比較表【無垢・複合フローリング・クッションフロア】
主な床材の違いを1つの表にまとめました。構造の定義はJASとJAFMA、価格はメーカー公式の設計価格(税抜・材料のみ)にもとづいています。メリット・デメリットは素材の一般的な性質で、実際の性能は製品ごとに異なります。
| 比較項目 | 無垢(単層フローリング) | 複合:挽き板 | 複合:突き板 | 複合:シート | クッションフロア |
|---|---|---|---|---|---|
| 表面 | 1枚の天然木(全体が木) | 厚みのある天然木(例:2mm) | 薄い天然木(0.2〜0.6mm) | 木目を印刷したシート | 塩化ビニル樹脂のシート |
| 基材 | なし(板そのもの) | 合板など | 合板など | MDF+合板など | —(シート自体) |
| 質感 | ◎ 木そのもの | ◎ 無垢に近い | ○ 天然木の木目 | △〜○ 製品次第 | △ 柄で表現 |
| 反り・すき間 | 出やすい(季節で伸び縮み) | 出にくい | 出にくい | 出にくい | ほぼない |
| 傷・水への強さ | △ 傷・シミがつきやすい | ○ 製品の塗装次第 | ○ 製品の塗装次第 | ◎ 傷・汚れに強い製品が多い | ◎ 水に強い(凹みはつきやすい) |
| 材料価格の例(税抜) | 樹種・等級で差が大きい | 約2.1万〜3.2万円/㎡ | 製品次第 | 約1.5万円/㎡(例) | 約3,000円/㎡(例) |
表の価格はメーカーの設計価格(希望小売価格に近い位置づけの価格)です。実際の工事では、ここに施工費・下地の補修・既存床の撤去処分費などが加わり、販売店の値引きによっても変わります。床材の価格差を比べるときは、同じ面積・同じ工事範囲で見積もりを取り、材料費と工事費を分けて比べるのが確実です。
床材の価格比較|メーカー公式の設計価格で見る差
床材の価格は、表面に使う天然木の量が多いほど高くなる傾向があります。今回確認したメーカー公式の設計価格(税抜・材料のみ)を、㎡あたりに並べると次のとおりです。
| 製品(メーカー) | 種類 | 設計価格(税抜) | ㎡あたり |
|---|---|---|---|
| CFシート-H(東リ) | クッションフロア 全厚1.8mm | 5,460円/m(幅1,820mm) | 3,000円/㎡ |
| イエリアフロア セレクト 石目柄(鏡面調)(DAIKEN) | 複合:シート(特殊オレフィンシート) | 48,000円/梱(6枚・3.3㎡) | 14,550円/㎡ |
| ライブナチュラルプレミアム STANDARD アッシュ 3P(朝日ウッドテック) | 複合:挽き板 2mm | 68,900円/梱(6枚・3.3㎡) | 20,880円/㎡ |
| ライブナチュラルプレミアム STANDARD オーク 3P(朝日ウッドテック) | 複合:挽き板 2mm | 76,800円/梱(6枚・3.3㎡) | 23,280円/㎡ |
| ライブナチュラルプレミアム STANDARD オーク 2P(朝日ウッドテック) | 複合:挽き板 2mm | 91,500円/梱(6枚・3.3㎡) | 27,730円/㎡ |
| ライブナチュラルプレミアム MOMENT(朝日ウッドテック) | 複合:挽き板 2mm | 105,000円/梱(6枚・3.3㎡) | 31,820円/㎡ |

同じ挽き板フローリングでも、樹種(オーク・アッシュなど)や板の幅・継ぎ方(2P・3Pなど)によって㎡あたり約2.1万〜3.2万円と差があります。クッションフロアとの差は材料だけで5〜10倍ほどになるため、全室を同じ床材にするのではなく、リビングは挽き板、トイレ・洗面所はクッションフロアのように部屋ごとに使い分けると、予算と満足度のバランスを取りやすくなります。
無垢フローリング(単層フローリング)の価格は、樹種・等級(節の有無)・幅・塗装によって大きく変わり、メーカーごとの価格表もそろっていません。この記事では一律の「相場」は載せていません。無垢を検討する場合は、樹種と等級を指定して複数社の見積もりを取りましょう。なお、メーカーの商品は入れ替わりがあり、DAIKENの「ハピアフロア 銘木柄」(設計価格10,430円/㎡)のように生産終了予定の製品もあります(DAIKEN公式)。見積もりの品番が現行品かも確認しましょう。
無垢フローリングのメリット・デメリット
メリット:木そのものの質感と、削って手入れできること
- 表面から裏まで同じ木なので、木目・色・足ざわりがいちばん自然
- 表面に傷がついても、板の厚みの範囲で削ったり、オイルを塗り直したりして手入れできる
- 年数とともに色が深まる「経年変化」を楽しめる
デメリット:伸び縮み・傷・価格
木は空気中の湿気を吸ったり吐いたりして、伸び縮みします。そのためJASでは単層フローリングの含水率(木に含まれる水分の割合)に上限を設けており、人工乾燥の場合は針葉樹15%以下・広葉樹13%以下などと定めています(JAS)。それでも、季節によって板と板の間にすき間ができたり、逆に詰まって反ったりすることがあります。施工時に適度なすき間をとるなど、無垢の施工に慣れた業者を選ぶことが大切です。
- やわらかい樹種(スギ・パインなど)は凹み傷がつきやすい
- 水をこぼしたまま放置するとシミになりやすい
- 床暖房に使えるかどうかは製品ごとに異なる(使えない無垢材も多い)
複合フローリングのメリット・デメリット
メリット:寸法が安定し、機能を選べる
複合フローリングは、合板などの基材で板全体の動きを抑えているため、無垢より反りやすき間が出にくいのが特長です。JASでも複合フローリングの含水率は14%以下と定められています。表面に「傷がつきにくい」「ワックス不要」「床暖房対応」「抗菌」などの機能を持たせた製品が多いのも強みです。たとえばDAIKENのイエリアフロア セレクトは、ワックス掛け不要・床暖房対応、朝日ウッドテックのライブナチュラルプレミアムも床暖房対応・フリーワックス(ワックス不要)とされています(DAIKEN公式/朝日ウッドテック公式)。
デメリット:表面材の厚さ以上は削れない
- 表面の天然木やシートの下は合板などなので、深い傷がつくと下地が見えることがある。無垢のように大きく削って直すことはできない
- シートの製品は、天然木特有の木目のばらつきや経年変化は楽しめない
- 表面の仕上げによって傷の目立ち方が変わる。DAIKENは鏡面調の製品について「生活上の傷などが目立ちやすい」と注記している(DAIKEN公式)
クッションフロアのメリット・デメリット
- メリット:材料が安い、水や汚れに強い、やわらかくて足腰や物の落下に優しい、張り替えの工期が短い
- メリット:東リのCFシート-Hのように、抗菌・防カビ機能を持つ住宅用製品がある
- デメリット:家具やキャスターの跡(凹み)がつきやすい、熱いものを置くと変形することがある
- デメリット:木の質感はフローリングに及ばない。リビング全体に使うと見た目の満足度が下がることも
床材の比較で見落としがちな注意点|JASマークとF☆☆☆☆
床材を比べるときは、見た目や価格だけでなく、品質の基準を満たしているかも確認しましょう。フローリングにはJAS、クッションフロアにはJIS(日本産業規格)という国の規格があります。
JASで決まっている主な基準
| 項目 | 単層フローリング(無垢) | 複合フローリング |
|---|---|---|
| 含水率(天然乾燥と表示) | 針葉樹20%以下・広葉樹17%以下 | — |
| 含水率(人工乾燥と表示) | 針葉樹15%以下・広葉樹13%以下 | 14%以下 |
| ホルムアルデヒド放散量 F☆☆☆☆ | 平均0.3mg/L以下・最大0.4mg/L以下 | 平均0.3mg/L以下・最大0.4mg/L以下 |
| ホルムアルデヒド放散量 F☆☆☆ | 平均0.5mg/L以下・最大0.7mg/L以下 | 平均0.5mg/L以下・最大0.7mg/L以下 |
| 表面の摩耗試験 | — | 天然木化粧で厚さ1.2mm未満のもの・特殊加工化粧(シート等)は摩耗試験に合格すること |

含水率は、木に含まれる水分の量です。乾燥が不十分な木を張ると、張ったあとに乾いて縮み、すき間や反りの原因になります。JASマークのある製品はこの基準を満たしているので、特に無垢フローリングを選ぶときは、JAS認定品かどうか、乾燥方法の表示はどうかを確認すると安心です。
F☆☆☆☆(フォースター)なら面積の制限なく使える
国土交通省によると、建築基準法のシックハウス対策では、ホルムアルデヒドを発散する建材を居室の内装に使う場合、面積が制限されます。ただしF☆☆☆☆等級の建材は「規制対象外建築材料」で、制限を受けずに使えるとされています。また、建築確認が要らないリフォームでも建築基準法に適合する必要があります(国土交通省「建築基準法に基づくシックハウス対策について」)。見積もりや仕様書の品番がF☆☆☆☆表示かどうかを確認しましょう。
硬さ・傷への強さは「樹種」と「表面仕上げ」で決まる
「床材の硬さ」を比べたい場合、無垢フローリングは樹種による差が大きく、一般にオークなどの広葉樹は硬め、スギ・パインなどの針葉樹はやわらかめです。複合フローリングは表面材と塗装の性能で決まるため、メーカーのカタログで「耐摩耗」「車イス対応」「キャスター対応」などの表示を確認するのが確実です。JASでも、薄い天然木化粧(1.2mm未満)やシートの製品には摩耗試験の基準が設けられています。ペットや小さな子どもがいる家庭、キャスター付きの椅子を使う部屋では、この表示を優先して選びましょう。
マンションの床材比較は「遮音等級」が最優先
マンションでフローリングに張り替える場合、多くの管理規約で床材の遮音性能が決められています。JAFMAは、軽量床衝撃音(スプーンを落とした音やスリッパの歩行音など)の遮断性能について、LL-55以下を防音床材とし、その中でもLL-45以下が望ましいとしています。同会のデータでは、すでに出荷量の90%以上がLL-45以下だそうです(JAFMA「LL-45以下をおすすめする理由」)。
| 日本建築学会の適用等級 | 遮音性能の水準 | 対応するL等級(軽量床衝撃音) |
|---|---|---|
| 特級 | 遮音性能上、特にすぐれている | LL-40 |
| 1級 | 遮音性能上、すぐれている(建築学会が推奨する好ましい水準) | LL-45 |
| 2級 | 遮音性能上、標準的である | LL-50・LL-55 |
| 3級 | 遮音性能上、やや劣る | LL-60 |
なお、防音フローリングの性能表示は、2008年4月に新しい「ΔL等級」が発表され、従来の「LL-45」などの推定L等級から順次切り替わっています。推定L等級が建物全体の性能を推定した値なのに対し、ΔL等級は床材単体が床衝撃音をどれだけ低減できるかを表し、数字が大きいほど性能がよい(4等級は2等級より高性能)点に注意が必要です(JAFMA「ΔL等級とは?」)。管理規約が「LL-45」と書いている場合でも、カタログはΔL等級で表示されていることがあるので、管理組合や施工会社にどの等級なら規約を満たすかを確認しましょう。
一般的な無垢フローリングや、防音機能のない複合フローリングをマンションでそのまま張ると、規約の遮音等級を満たせないことがあります。無垢の質感がほしい場合は、遮音等級を取得した挽き板の防音フローリングや、遮音下地材と組み合わせる方法を施工会社に相談しましょう。
後悔しない床材の選び方|優先順位で決める
床材は「どれが一番いいか」ではなく、「その部屋で何を優先するか」で選ぶのが失敗しないコツです。次の流れで考えると、候補を絞り込みやすくなります。

家族構成・暮らし方別のおすすめ
| 暮らし方 | おすすめの床材 | 選ぶときのポイント |
|---|---|---|
| 小さな子ども・ペットがいる | シート系フローリング、傷に強い表面の複合フローリング | 「耐摩耗」「傷がつきにくい」の表示。滑りにくさも確認 |
| 木の質感を最優先 | 無垢、挽き板の複合フローリング | 無垢はJAS・乾燥方法、挽き板は床暖房対応かを確認 |
| 床暖房を入れる | 床暖房対応の複合フローリング | メーカーが「床暖房対応」としている品番か |
| マンションのリフォーム | 遮音等級を取得した防音フローリング | 管理規約の等級(LL-45など)とΔL等級の読み替え |
| トイレ・洗面所 | クッションフロア | 抗菌・防カビ・住宅用の表示 |
| 予算を抑えたい | シート系フローリング、クッションフロア | 部屋ごとに使い分けて、リビングだけ天然木にする方法も |
- STEP1条件を整理部屋の用途、床暖房の有無、マンションなら管理規約の遮音等級を確認する
- STEP2サンプルで確認メーカーのショールームやサンプルで色・質感・傷の目立ち方を見る。小さなサンプルより大きな板で確認すると失敗しにくい
- STEP3見積もりを比較品番・数量(㎡)・材料費・施工費・撤去処分費・下地補修費を分けて2〜3社で比べる
- STEP4管理組合へ申請(マンション)防音性能の資料を添えて工事を申請する
- STEP5施工・引き渡しすき間・段差・床鳴りがないか確認。お手入れ方法(ワックスの要否)を聞いておく
床材だけを替えるのか、断熱や窓もあわせて見直すのかで、工事の範囲や使える補助制度が変わります。床下の断熱改修を検討するなら断熱材の比較、窓の断熱もあわせるなら窓サッシの断熱比較、補助制度はみらいエコ住宅2026事業の解説をご覧ください。
注文住宅で床材を選ぶときの注意点
注文住宅では、床材は住宅会社の「標準仕様」で決まっていることが多く、無垢や挽き板に変更すると差額(オプション費用)がかかります。坪単価には床材の違いが表れにくいので、注文住宅の坪単価を比べるときも、見積書の仕様欄で床材の品番を確認しましょう。見積書の読み方は注文住宅の見積もりの見方で詳しく解説しています。
床材は家具を置いたあとでは張り替えにくい部分です。契約前に確認しておきたいポイントは注文住宅の後悔・失敗ランキングにまとめています。外まわりの素材選びは外壁材の比較、屋根材の比較も参考にしてください。
床材の比較に関するよくある質問
- Q無垢フローリングと複合フローリングの見分け方は?
- A
板の断面(小口)を見るのが確実です。無垢(単層フローリング)は断面まで同じ木ですが、複合フローリングは表面の化粧材の下に合板やMDFの層が見えます。張ったあとは断面が見えないので、新築やリフォームの仕様書・見積書の品番で確認しましょう。JASでは、ひき板1層でできたものが単層、それ以外が複合フローリングです。
- Q挽き板と突き板はどう違いますか?
- A
どちらも表面に本物の木を使った複合フローリングですが、厚さが違います。JAFMAによると、突き板は木材を0.2〜0.6mmに薄くスライスしたもの、挽き板は鋸で挽いた厚みのある板です。たとえば朝日ウッドテックのライブナチュラルプレミアムは厚さ2mmの挽き板を使っています。挽き板のほうが無垢に近い質感ですが、価格は高くなります。
- Q床暖房に無垢フローリングは使えますか?
- A
使える無垢材もありますが、木の伸び縮みで反りやすき間が出やすいため、メーカーが「床暖房対応」としている製品に限られます。床暖房を入れる場合は、床暖房対応の複合フローリング(挽き板やシートなど)を選ぶのが一般的です。必ず品番ごとに床暖房対応かどうかを確認しましょう。
- Qマンションで無垢フローリングに張り替えられますか?
- A
管理規約の遮音等級を満たせば可能です。JAFMAはLL-45以下を推奨しており、マンションの管理規約でもLL-45などの基準が定められていることがあります。一般的な無垢材だけでは基準を満たせないことがあるため、遮音等級を取得した防音フローリングや遮音下地材と組み合わせる方法を施工会社に相談してください。
- Q床材の価格はどのくらい違いますか?
- A
メーカーの設計価格(税抜・材料のみ)で見ると、東リのクッションフロアCFシート-Hが3,000円/㎡、DAIKENのシート系フローリングが14,550円/㎡、朝日ウッドテックの挽き板フローリングが約2.1万〜3.2万円/㎡でした。実際の工事費は、ここに施工費・撤去処分費・下地補修費などが加わります。
まとめ|床材は「部屋ごとの優先順位」で比較して選ぶ
- JASでは、ひき板1層のものが単層(無垢)フローリング、それ以外が複合フローリング
- 複合フローリングは表面材で、挽き板(厚い天然木)・突き板(0.2〜0.6mm)・シートに分かれる
- メーカー設計価格(材料のみ)は、クッションフロア約3,000円/㎡、シート系約1.5万円/㎡、挽き板約2.1万〜3.2万円/㎡
- 品質はJAS(含水率・F☆☆☆☆)、マンションは遮音等級(LL-45/ΔL等級)を確認
- リビングは天然木、水まわりはクッションフロアなど、部屋ごとの使い分けで予算と満足度を両立
床材は毎日素足で触れる部分で、住まいの印象を大きく左右します。サンプルで質感を確かめ、品番・機能・工事範囲をそろえた見積もりで比べて選びましょう。信頼できるリフォーム会社の探し方は住宅リフォーム業者の探し方、親からの資金援助を受ける場合はリフォーム資金の贈与税も確認しておきましょう。
参考・出典
- 農林水産省「フローリングの日本農林規格」(PDF)
- 農林水産省「フローリングの日本農林規格の一部を改正する件 新旧対照表」(JAS 1073-1〜3:2025、PDF)
- 国土交通省「建築基準法に基づくシックハウス対策について」
- 日本複合・防音床材工業会(JAFMA)「複合フローリングの種類」
- 日本複合・防音床材工業会(JAFMA)「LL-45以下をおすすめする理由」
- 日本複合・防音床材工業会(JAFMA)「ΔL等級とは?」
- 朝日ウッドテック「ライブナチュラルプレミアム STANDARD」
- 朝日ウッドテック「ライブナチュラルプレミアム MOMENT」
- DAIKEN「イエリアフロア セレクト 石目柄(鏡面調)」
- DAIKEN「ハピアフロア 銘木柄」
- 東リ「CFシート-H」
