つなぎ融資とは?住宅ローンとの違いと必要なケースを解説

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AKITEKT編集長 伊藤 建

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コラム

注文住宅を建てる際に「つなぎ融資」という言葉を聞いたことはありますか?

住宅ローンは通常、家が完成して引き渡された後に実行されます。
しかし、注文住宅では工事の進行に応じて「土地代」「着工金」「中間金」などの支払いが必要になるため、その資金をどう調達するかが課題になります。

そんなときに利用されるのが「つなぎ融資」です。本記事では、つなぎ融資の仕組みや必要なケース、費用相場、利用する際の注意点を詳しく解説し、住宅ローンをスムーズに進めるためのポイントをお伝えします。

つなぎ融資とは?住宅ローンとの違い

住宅ローンの実行タイミング

住宅ローンは、住宅が完成して引き渡された時点で実行されるのが一般的です。そのため、建売住宅やマンション購入の場合は、住宅ローンの実行と同時に支払いを行えば問題ありません。 しかし、注文住宅を建てる場合は、家が完成する前に発生する支払いが多くあります。代表的なものとして以下の支払いがあります。

  • 土地代:注文住宅ではまず土地を購入する必要があります。この際に、土地代の支払いが求められます。
  • 着工金:建築工事を開始する際に、契約金として工務店へ支払う費用。
  • 中間金:工事が一定の段階まで進んだ際に支払う費用(例:上棟時の支払い)。

これらの支払いが必要になるため、住宅ローンの実行前に資金を用意する手段として「つなぎ融資」が活用されます。

つなぎ融資の仕組み

つなぎ融資は、住宅ローンが実行される前に必要な資金を一時的に借りるためのローンです。銀行や金融機関が、住宅ローンの審査を通過した施主に対して融資を行い、土地代や着工金の支払いに充てます。最終的に住宅ローンが実行されると、その資金でつなぎ融資を一括返済する仕組みになっています。

国土交通省による住宅取得支援策

国土交通省は、住宅取得者を支援するためにさまざまな施策を実施しています。2024年度の住宅政策に関する報告によると、住宅取得者向けの金利優遇制度や補助金制度が強化されています。

住宅ローン減税

住宅ローン減税は、住宅取得時の負担を軽減するための制度です。一定の条件を満たせば、所得税や住民税から控除が受けられます。特に、環境性能の高い住宅(ZEH住宅など)については、より優遇された控除率が適用されるケースがあります。

こどもエコすまい支援事業

「こどもエコすまい支援事業」は、子育て世帯や若者夫婦世帯が環境性能の高い住宅を取得する際に補助金を受けられる制度です。補助額は最大100万円に達することがあり、ZEH水準の住宅を購入する場合に有利な条件となっています。

これらの制度を活用することで、つなぎ融資の利息負担を軽減することが可能です。最新の住宅政策については、国土交通省の公式発表を確認してください。

つなぎ融資が必要なケース・不要なケース

つなぎ融資が必要な人

以下のような場合、つなぎ融資を利用する必要があります。

  • 注文住宅を建てる人:建売住宅とは異なり、工事進行に伴う支払いが発生するため。
  • 住宅ローンが引き渡し後にしか実行されない金融機関を利用する場合:ローンの仕組みによっては、工事段階の支払いに対応できないケースがあります。
  • 自己資金で土地代や着工金をまかなえない場合:まとまった資金を用意できないときの解決策となります。

つなぎ融資が不要なケース

一方で、以下のような場合はつなぎ融資を利用しなくても済む可能性があります。

  • 建売住宅を購入する場合:住宅の引き渡しと同時に住宅ローンが実行されるため、資金の立て替えが不要。
  • 自己資金で工事中の支払いをまかなえる場合:土地代や着工金を自己資金で支払えれば、つなぎ融資を利用する必要はありません。
  • 金融機関が住宅ローンの一部を先行実行する場合:一部の銀行では、土地購入時に住宅ローンの一部を実行できる制度があります。

つなぎ融資の金利・手数料はいくら?

つなぎ融資の金利相場

つなぎ融資の金利は、一般的に2〜4%程度とされています。これは、通常の住宅ローン(0.5〜1.5%程度)と比べて高めの金利設定です。なぜなら、つなぎ融資は短期間の融資であり、銀行側のリスクが高いためです。

つなぎ融資の費用シミュレーション

例えば、総額3000万円の注文住宅を建てる場合、つなぎ融資の利息は以下のようになります。

支払い項目金額つなぎ融資の期間金利3%の場合の利息
土地代1000万円6ヶ月約15万円
着工金500万円4ヶ月約5万円
中間金500万円2ヶ月約2.5万円

このように、つなぎ融資を利用すると20〜30万円程度の利息が発生する可能性があります。

まとめ

つなぎ融資は、注文住宅を建てる際の資金調達の重要な手段ですが、金利が高めであるため事前の計画が重要です。自己資金や金融機関の先行融資制度を活用することで、不要なコストを抑えられる可能性があります。住宅ローンの契約前に、つなぎ融資の必要性をしっかり確認しましょう。

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