マイホームを建てる際、最も不安なのは「工務店の倒産や資金トラブルで工事が中断してしまうこと」ではないでしょうか?そんなリスクを軽減するのが「住宅完成保証制度」です。本記事では、住宅完成保証の仕組みや、代表的な保証制度(ハートシステム、住宅あんしん保証、JHS、住宅保証機構)の違いを詳しく解説します。
住宅完成保証とは?
住宅完成保証とは、工務店の倒産などで工事が継続できなくなった場合に、代替工務店を手配して工事を引き継ぐ制度です。通常、工務店と施主が直接契約し、建築資金は工務店の口座へ入金されます。しかし、工務店が経営不振に陥ると、前払いしたお金が戻らず、工事がストップする可能性があります。
住宅完成保証制度を利用すれば、第三者機関が資金の管理や工事の引き継ぎを行い、住宅の完成を確実に保証してくれます。これにより、施主は安心して家づくりを進めることができます。
住宅完成保証制度の代表的な種類
日本には複数の住宅完成保証制度が存在します。ここでは、主要な3つの制度について解説します。
ハートシステム(ハウス・デポ・ジャパン)
- 建築資金を第三者の管理口座(エスクロー口座)で管理し、工事進捗に応じて支払い
- 工務店が倒産しても、別の工務店に引き継ぎ可能
- 資金管理と完成保証をセットで提供する日本では数少ない制度
住宅あんしん保証(株式会社住宅あんしん保証)
- 工務店の倒産時に、工事完成を保証
- 瑕疵保証もセットになっている
- 「つなぎ融資」に対応しており、住宅ローンとの併用がしやすい
住宅保証機構(住宅保証機構株式会社)
- 国土交通省指定の住宅保証制度で、行政のサポートを受けやすい
- 万が一の工事中断時に、別の業者を紹介
- 追加工事費用の一定額を保証
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住宅完成保証を選ぶ際のポイント
住宅完成保証制度は複数ありますが、どの制度を選ぶべきか迷う方も多いでしょう。以下のポイントを参考に、最適な制度を選びましょう。
1. 資金管理が必要か?
「ハートシステム」は資金管理(エスクロー)を含むため、工務店が資金を不正利用するリスクを防げます。他の制度は完成保証のみで、資金管理は施主自身で行う必要があります。
2. 住宅ローンとの相性
「住宅あんしん保証」はつなぎ融資対応しており、住宅ローンとの併用がしやすいです。一方、ハートシステムは一部の金融機関で対応できない場合があるため、事前にローンの相談をしておくとよいでしょう。
- Qつなぎ融資とは?
- A
住宅ローンは通常、家が完成して引き渡されるタイミングで実行されます。しかし、注文住宅の場合は土地の購入費や工事費(着工金・中間金)を先に支払う必要があることが多いため、その間の資金をどうするかが問題になります。そこで登場するのが「つなぎ融資」です。これは、住宅ローンが実行されるまでの間、一時的に必要な資金を借りるためのローンです。家が完成し、正式に住宅ローンが実行された後に、つなぎ融資は返済されます。
3. 工務店の審査基準
「JHS」や「住宅保証機構」は加入できる工務店の審査が厳しく、経営が安定した会社しか利用できません。そのため、より信頼性の高い業者を選びたい場合に向いています。
住宅完成保証制度の比較表
制度名 | 資金管理 | 完成保証 | 瑕疵保証 | つなぎ融資対応 |
---|---|---|---|---|
ハートシステム | ✅ あり | ✅ あり | ❌ なし | ❓ 金融機関による |
住宅あんしん保証 | ❌ なし | ✅ あり | ✅ あり | ✅ あり |
住宅保証機構 | ❌ なし | ✅ あり | ✅ あり | ❌ なし |
まとめ
住宅完成保証制度を利用することで、工務店の倒産リスクを軽減し、安心して家を建てることができます。特に、資金管理と完成保証の両方を求めるなら「ハートシステム」、住宅ローンとの併用を重視するなら「住宅あんしん保証」がおすすめです。