知らずに損する？住宅価格のカラクリ
あなたの家の価格、その中に隠された広告費をご存知ですか？
住宅の購入は人生最大の買い物の一つですが、その価格には建材費や人件費だけでなく、驚くほどの広告宣伝費が含まれています。
本稿では、日本の住宅市場における広告宣伝費の実態を明らかにし、大手ハウスメーカーと地元工務店の違い、そして消費者に及ぼす影響について詳しく解説します。
広告費の割合
大手ハウスメーカーはブランド価値の向上や広範な顧客層へのアプローチのため、多額の広告宣伝費を投入しています。一般的に、大手ハウスメーカーの広告宣伝費は売上高の1〜2%程度とされており【1】、業界全体では4%前後というデータもあります【2】。
例えば、大和ハウスや積水ハウスでは、それぞれ0.6%と0.8%の広告宣伝費率を維持しており、コスト効率を重視した戦略を採用しています【3】。
一方、地元工務店は地域密着型のマーケティング戦略を取るため、広告宣伝費の割合が大手よりも高く、売上高の3〜4%程度とされています【1】。
地域住民への認知向上や集客のため、より積極的に広告を活用する必要があるためです。
広告費の使い道
大手ハウスメーカーは、テレビCM、新聞広告、インターネット広告、住宅展示場でのイベント費用など、さまざまな媒体に広告費を投入しています【4】。
特に、住宅展示場への来場を促すギフトカードキャンペーンは有力な手法の一つであり、年間で数億円規模の予算が使われることもあります【5】。
一方、地元工務店は、地域情報誌への掲載、チラシの配布、地域イベントへの参加、SNSを活用した情報発信など、よりターゲットを絞った広告戦略を展開することが多いです【6】。
また、SUUMOなどの住宅情報サイトへの掲載も重要な広告手段となっています【7】。
消費者への影響
住宅価格に含まれる広告宣伝費は、最終的に消費者が負担することになります。例えば、3000万円の住宅を購入する場合、大手ハウスメーカーなら30万〜60万円、地元工務店なら90万〜120万円が広告費に充てられる計算になります【8】。
さらに、新築マンションの場合、販売経費を含めると物件価格の8%程度が広告宣伝費に充てられるというデータもあります【9】。
また、不動産広告は宅建業法や景品表示法、不動産の表示に関する公正競争規約などの規制を受けており、消費者保護のルールが定められています【10】。
しかし、誇大広告や誤解を招く表現が見受けられることもあり、消費者は慎重に情報を精査する必要があります【11】。
まとめ
住宅価格に占める広告宣伝費は、大手ハウスメーカーと地元工務店で異なり、その使い道も戦略によって特徴があります。消費者は、住宅購入時に広告費が価格に影響を与えていることを理解し、情報を精査することが重要です。
また、国土交通省が住宅省エネ性能の「目安光熱費」表示を制度化するなど、消費者への情報提供を強化する動きも見られます【12】。
今後は、消費者自身が賢く情報を収集し、住宅購入において最適な選択を行うことが求められます。
参考文献
- 知っておきたい住宅会社の広告宣伝費のはなし – あすなろ建築工房（https://www.asunaro-studio.com/column/2024/111012263.html）
- 工務店の広告予算・宣伝費は売上の %【2020年版】（https://www.aya-kikaku.work/1600/）
- 広告宣伝費はいくらまで使う？工務店の経営に直結する集客力に与える影響 – ミライスタイル（https://mirai-style.net/column/28255/）
- 住宅会社・工務店の広告宣伝費はどれぐらいかけるべき？ – TWELVE FOUR（https://www.twelve-four.com/blog/blog_117/）
- 住宅展示場イベント目当てやクオカード目当てでもOK？住宅展示場を見に行く時の注意点！（https://casaco.jp/youcanalsogofor-housingexhibition-halleventsor-qu0cards/）
- 不動産会社が知っておくべき広告のルール｜不動産広告料についても徹底解説（https://lab.iyell.jp/knowledge/realestate/advertisement-rule/）
- SUUMO住宅情報サイト（https://suumo.jp/）
- 新築と中古リノベーションを比較。購入費用の内訳はどう違う？（https://nokurashi.com/hint/1947）
- 【最新】不動産広告に関わる法律やルールを徹底解説！違反した場合のペナルティは？（https://iimon.co.jp/column/Real-Estate-Advertising）
- 事例でわかる景品表示法 – 消費者庁（https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_160801_0001.pdf）
- WEBでも気を付けたい不動産広告のルール｜実際の違反事例をチェック – ミライスタイル（https://mirai-style.net/column/22622/）
- 2024年から導入予定！住宅広告の「目安光熱費」表示制度って何？ – オーナーズ・スタイル（https://owners-style.net/article/detail/63101/）
